第29話 副作用




    初めて精神薬を飲んで副作用に苦しんだ

    手足が震え、口が渇き、頭がボーッとする


    初めて経験をする感覚に恐れおののいた


    眠気、めまい、脱力感、心が破壊された


    それでも僕は働いた

    車を運転して飛び込み営業を続けていた


    プレッシャーに耐え切れず

    仕事から逃げて引きこもりになった。



    精神薬を飲まなければ

    妄想、幻覚、幻聴の症状が出て来る


    精神薬を飲めば副作用に苦しむ

    どちらにしろ苦しむのだ



    あれから28年が経った

    精神薬中毒の僕はクスリが無いとダメだ


    クスリのおかげで生きている

    生きる喜びも無く生きている


    僕の良き理解者は僕自身だ

    当事者しかこの苦しみを知る事は出来ない



    僕はいつ死んでもいい

    最後は眠るように死にたい


    自分の心に正直に生きて来た

    人生のクライマックスは死だ


    終わりの日も僕は精神薬を飲むだろう


    副作用との闘いで人生を狂わせた

    そんな自分が愛おしくて


    これからも無理の無い様に生きよう

    命が尽きるその日まで




*~*~*




 初めて精神薬を飲んだのは、僕が27歳の時でした。


 今から28年前の事です。当時、兄の経営する給食センターで働いていたのですが、副作用が凄くて立っているのも辛かったと記憶しています。


 兄に理解が無くて「根性で治せ」と言われました。


 精神薬をもらう時に、クスリの効能と副作用が書いてある紙をもらうのですが、読むと恐ろしくなります。


 詩に書いた様に手足の震え、のどが渇く、頭がボーッとするなどの症状がすぐに出たのです。アルコールも車を運転する事も控えた方が良いと書いてあります。


 兄に相談しても無駄でした。


 会社を退職する直前の仕事は、お弁当を入れるコンテナ洗いでした。プライドの高い僕はとても深く傷つき、退職を願い出ました。


 タンポポ(仮名)と言う精神障害者だけを採用する支援施設に4年間お世話になり、去年の暮れに普通の工場に就労出来ました。


 僕の書いている【生きてる証しが欲しいから】に詳しく書いていますので、是非遊びに来て下さいね。


 お待ちしています。

 

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