斧男

Oz

エピローグ いる。

 マンションで一人暮らしをしている女性の部屋に友人が遊びに来た。


 久々にあったということもあり、思い出話に花が咲き、気がつけば夜になってしまっていた。


「泊まっていきなよ。」


 女性のその言葉に押されるように、友人は女性の部屋に泊まることにした。

 ただ、部屋にはベッドが一つしかないので、自分はベッドに寝て、友人は床に布団を敷いて寝させることにした。


 夜も更けて寝ようとする女性に、突然友人が話しかける。


「ねえ、急にお菓子食べたくなっちゃった。コンビニに行こうよ。」

「んー?お菓子なら、戸棚にあるわよ?」

「いや、ポテトチップスとか、そういうのじゃなくて、ケーキとか、そういうのが食べたくて。」

「眠いし、いきたくないよ。一人で行けば?」

「一緒に行こうよ。」

「やだ。」

「行こう、ねえ。」


 あまりにしつこく誘う友人に、女性の方が先に折れた。


「わかったわよ。さっさと行くわよ。」


 しぶしぶ部屋を出ると、友人は女性の手を掴み、血相を変えて交番の方へとかけて行く。


「何?一体何なのよ!」


 訳が分からない女性。友人は彼女に言った。


「ベッドの下に血まみれの斧を握った男がうずくまっていたの!」


 警察とともに部屋へと戻った女性二人が見たのは、傷まみれの壁と、無残にも破壊されたベッド。


 壁には、こう書かれていた。


『いい友人を持っていてよかったな』


 と。


_______________________________________________________________


 都市伝説、『斧男』をモデルとした作品です。


………『斧男』がモデルですよ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る