二章 オペレーション・ワルキューレ
第1話 事前連絡
オペレーション・ワルキューレ
悪名高き、この作戦はオペレーション・メテオと同様に小惑星の降下から始まる
事前に連絡されたとはいえ、地球環境を破壊し氷河期が来るほどの隕石を地上への爆撃として使った
オペレーション・メテオの時は迎撃ミサイルや超高出力レーザーなどを使い削りに削って、地上に影響が少ない程に削った後に爆発した御陰で直接的な被害は殆ど無い
それなのに事前連絡された内容に、「我々は同規模の攻撃を十数回行える」と脅しに近いことが含まれていた
10日前に落とされた隕石の名前は【12th Asteroid】
宇宙工業用に地球軌道に誘引された人工小惑星
12番目とされる人工小惑星は地上に記録が無い
6番目まで記録があるが、それ以降の小惑星は100年以上前のケスラーシンドローム発生以降に誘引された小惑星と考えられた
ミサイルの弾は有限である
それも隕石を破壊できるミサイルは、一か月に一本が今までの生産速度だ
使う機会がなかったミサイルは、10日前に一斉に発射され、使用したミサイルは117本に
当日に使われなかったミサイルも残ってるけど、毎回用意できるわけではない
生産速度が上がってもオペレーション・ワルキューレ発動時には間に合わなかった
「地球の皆さん、はじめまして私はグリゴーリー・ポリャコフ、国際宇宙連合の最高司令官です。」
これはオペレーション・ワルキューレが始まる前に連絡された放送で、英語、ロシア語、日本語、中国語、フランス語、ヒンディー語(インド)で各国に放送される
「10日前、我々国際宇宙連合は隕石を落としました。
これを我々は『12th Asteroid』と呼んでいますが、いかがでしたか??
皆さんの胆が冷えたのなら我々としては幸いです。
オペレーション・メテオと共に地球降下した私の娘、神代輝月を不当に傷つけなという警告です。
ですが、一週間前に私の娘は中国軍に不当に拘束された。
これは拘束された時の映像だ」
捕らわれた娘を背にしている
「我々は娘を不当に拘束してる中国軍及び、中国政府に娘の自由と解放に加え賠償を要求する。
詳細は娘が解放した後に交渉するとして、まずは解放を求める。
解放まで3時間待つ、3時間以内に返答もしくは解放が確認されしたら交渉に入ろう。
中国政府や軍の賢明な判断を待つ、以上だ。」
これに慌てたのは中国政府と
政府の緊急会議がおこなわれ、軍では
肝心の
事態を把握してるのが
政府や軍から直接の上司である
「
更に詳しく調べると、アラウィー戦線時に正体不明の人型ロボットに敗北し、報告も碌にせずにホータン地区ケリヤ県の北部の基地に籠ってると言う
政府や
まだ
◇ ◇ ◇
俺達、派遣された日本軍はまだ中国のホータン空軍基地に居た
【ロプノール】は中国に返却して、中国の整備工場の一部(元倉庫)と敷地の一部を使わせて貰ってる
負傷兵と付き添いが本国に戻るため部隊から抜けて、今は300名しか居ない
俺はこの一週間、輝月に面会を求めてたが成功していない
この日も面会を求めたがいい返事は貰えず、戻ってきたところに今回の一件を耳にする
「それは本当か?」
俺のところに情報が回ってきたのがタイムリミット丁度と思われる時刻
映像もあったので見せて貰おうと思ったのだけど、妙に空が暗い
砂漠でも雨が降ることはあるが、それは雲ではなかった
暑いのでサングラスしてるヤツが居たおかげで気づいたが、それは日食だった
日食にしては早すぎるスピードで太陽が覆われ、金環日食となる
太陽が隠れた時間は一分も無く、すぐに空は元通りの晴れ模様になるが予定にない日食
それは古代の人々が考えたような不吉なモノであり予兆だった
この日、この時間帯、場所は限られるがアメリカ首都のワシントン、ロシア首都のモスクワ、日本首都の東京、中国首都の北京、フランス首都のパリ、インド首都のニューデリーに日食が見られたと言う
意図して人工日食を見せられた地上の国々は中国に要求を呑むように伝えるが、
中国は
「それは無理だ」
と断られてしまう
輝月には危険性を嫌と言うほど伝えてあるし、逃げる時間を与える訳にはいかない
中国政府は部下の暴走と言っていたが、暴走するような部下を持つ方が悪い
それに一度設定したらグリゴーリーでさえ止められない
落ちるまで後2時間あり、軌道変更できるが落ちるのは止められない
時間的にはまだ止められたが、連絡が取れないのなら間に合うとは思えない
オペレーション・ワルキューレが始まる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます