第1話 地上Ⅱ
切っ掛けは21世紀初頭に大規模な砂嵐に遭い復旧を諦め放置された中国の極秘軍事施設、この施設を中東のテロ組織が発見、占拠したことから始まった
場所は前大戦で書類紛失し所在不明になっていたが、タクラマカン砂漠のどこかに有るのは間違いないと言われていた
この旧軍事施設を再利用できないように破壊するのが俺たちの受けた任務だ
国際連合と言うのだから俺たち、日本以外の部隊も派遣されそうな物だが、
活動する場所が悪い御陰で政治的影響も考えて俺たちのみになってしまったらしい
タクラマカン砂漠は過去何十回と核実験が行われた場所であり、中国政府も公式に発表している
当然だが放射能で汚染されており問題の軍事施設も汚染地域にあるらしい
中国政府が詳細(残留放射能の問題)を語らない限り現地に兵を派遣できないとするのが先進各国の見解である
さらに厄介なのが、ここはウイグル族を代表する多民族の土地であり、
後から来た漢民族と現地人とで揉めに揉めた土地なため、下手に兵士を送れないという事情があった
そのため国際連合軍の部隊として治安維持活動のため訪れたのが
俺の所属する日本の部隊500名だけだ
テロ組織と言っても昔とは違いゲリラ活動に悩まされることは無い、そう思っていたし、事実として21世紀初頭の兵器など殆ど脅威ではない
うまく行けば空爆だけで済んだ任務だったが、テロ組織が何処からか手に入れた絶対防空システム【アイギス】の御陰で地上戦をやるハメになってる
【アイギス】があれば旧式戦車もある程度は戦力になるだろう
中国政府から後方支援として提供されたのは80m級砂漠用ホバー戦車【ロプノール】と極秘だった旧軍事施設の情報、ウイグルの民から提供された水、食料を貰い部隊500名の内、補給と退路確保のため300名を使っている
【ロプノール】に43名、戦車に16名、メタルアーマーのメカニック41名(メタルアーマー乗りの予備含む)、メタルアーマー乗り100名
これが俺たちの居る前線戦力の詳細だ
【ロプノール】と戦車は防空に使うことになるから、
実質100名の
「副艦長、強行偵察したのは失敗だったな」
最初に聞いていた敵の人数は後方含めて数千人だった
こちらの人数は少ないが装備は数世代上だし強行偵察ぐらいできるだろうと提案したのが副艦長
安全を考え、無人機に偵察させ写真の中から探すべきだと俺は主張したのだが
「相手はアイギスを所持している。恐らく確実に撃墜されるし、後で同じ方向に進めば罠もしくは迎撃態勢を整えられる。
やるなら最初の一撃でガツンとやるべきだ」
という副艦長の意見が通り強行偵察したが、実は俺達の部隊がタクラマカン砂漠に着いた頃に補足されており、少数の部隊を潰しながら進んでいたら罠に誘導され【ロプノール】は停止し動かなくされた
誘導した敵部隊は引いて報告に行ったので敵が帰って来るまでに修理を試みたが、
提供され慣れない戦車を、残留放射能対策にメタルアーマーの装甲を鉛替わりにして作業を行っているので進みが遅い
「そういえば日本にホバーの兵器なんて無いな」
提供された時は利便性と自分たちの状況ばかり考えていてデメリットを忘れていた
それもこれも人数が足りてないのが原因だが、補充される見込みはない
「増援を頼むにも、ある程度敵の規模を把握しないと戦力の逐次投入になり兼ねん。」
少なくとも偵察を成功させるか全滅(3割死傷)しないと増援は出せない
メカニックが故障原因(パンク)と場所を特定し修理方法を調べてた時に、
【ロプノール】正面から戦車とトラックに自動車が見えてきた
「
「
ドォン、ドォン、ドォン、ドォン、ドォン
「
「後ろに敵は居ないんだな?」
「はい、確認できた敵は、歩兵300、後方に旧型戦車(主砲一門)6両、正面と左右に分かれて包囲するようです」
敵が少ない。急いで来たから数を用意できなかったのだろうか、……否
「ロプノールが動かないのを分かっていないのか、それとも巻き上げられる砂塵の嫌ったのか」
恐らく後者だろう
同じ絶対防空システム【アイギス】を持っていても性能まで同じと言う訳じゃなく、劣化品で砂塵対策がなされていない物なんだろう
「敵歩兵の武器は分かるか?」
「携帯対戦車グレネードランチャー《RPG》かと思われます」
「歩兵300発以上のRPG、最大射程は大体1km、対する此方の
撃つのを誘って、無駄に迎撃されて弾が少なくなるまで持久戦だな。
避難したメカニックには悪いが、
「了解、メカニックは
当然メカニックからは文句がでるが絶対防空システム【アイギス】と
「メカニックは
「こちら
「了解、
「
「
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