周回戦争
鯉妄想
一章 オペレーション・メテオ
プロローグⅠ 地上
流行は何年か経つと同じ流行が流行するという
それは何もファッションだけに限った話ではなく
人間が考える全ての物に言えることだと思う
それでも、まさか、
戦争が一周する時代が来るなんて昔の人は考えなかっただろう
対空兵器及び光学兵器が発達しすぎた結果、
弾道ミサイルや戦闘機などは見つかった時点で対空攻撃の餌食になり
宇宙ではステーションが壊され、破壊された破片が衛星を破壊した
結果、戦争は三次元から二次元へと逆戻りし
戦車や機械歩兵を中心としたものに変わっていった
その状態が古代の戦争に逆戻りしたようであるが
実際には周回遅れにしたソレは後に「周回戦争」と呼ばれた
◇ ◇ ◇
場所はタクラマカン砂漠
正面から砲撃が3回
80m級砂漠用ホバー戦車【ロプノール】は襲撃を受けていた
「敵、正面に歩兵50、左右に歩兵100、後方に旧型戦車(主砲一門)6両に……、砂山でよく見えないがトラックに自動車数台」
こちらの戦力は80m級砂漠用ホバー戦車【ロプノール】に戦車4両(主砲二門)、それに
「敵、旧型戦車の断続的な砲撃は未だ止まりません」
「迎撃は出来ているが反撃はどうする?」
現在【ロプノール】は罠に掛かり動かすことはできない
「ロプノール主砲は敵正面の歩兵を狙えます」
「無駄だと思うが一発だけ撃て」
敵戦車が【ロプノール】の主砲に反応し、ほぼ同時に砲弾を放つ
二つの砲弾は空中でぶつかり爆発する
金属の破片が落ちてくるが鋼鉄の鎧に守られダメージは無い
狙われた方も迎撃した方も双方共に被害は受けなかった
「やはり迎撃されるな、補給前で迎撃用の弾も少ないし攻撃するのは
「了解、
鋼鉄で身を守ったパワードスーツ、
「正面10機、左右20機で対応する。俺が正面、第一中隊は左と第二中隊は右だ」
敵の旧型戦車が狙いを変えて
「怯むな、進め!!」
迎撃された爆発の煙で姿が見なくなる
彼等は次々と発煙弾を使って敵の捕捉レーダーから姿を隠しながら敵歩兵に接近していく
「敵のアイギスは旧型だ!
煙に隠れれば俺達の位置を把握できない。
逆に俺達は把握して砲弾が来る位置を予測できる。
怯むな、行け、行け、行け!!」
敵歩兵も機関銃やマシンガンを煙に向かって撃ってくるが
「テロ屋はいい加減、
「重装兵、盾は耐えるか?」
「大丈夫だ、隊長」
「よし、全員抜刀し突撃!!」
敵との距離が近くなったので近接武器、【カタナ】を鞘から外す
鞘から外れると徐々にカタナは振動を始め接敵する頃には超音波振動となった
「「「「「「「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」」」」
片手でカタナを持ちながら
発煙弾の煙で見えないが悲鳴が聞こえ、それが徐々に減って聞こえなくなった
「生き残りと伏兵は居ないか?」
煙が晴れ見えてきた死屍累々の有様だが、まだ息のある者は数人居た
「息の有る者には自爆される前に止めを、持ってる武器が確認できない者は念の為に死体射ちしとけ」
勝てないと分かってる相手に特攻、自爆させる
テロリストらしい嫌な手口だが手を抜くとこちらが死ぬ
「奥に居る敵戦車はロプノールの相手で手一杯か、左右もこちらの戦車が抑えてるし」
「
閃光、爆発が起き仲間の
「クソが!!」
敵の伏兵が居た場所をコンピューターが割り出し即座に各隊員が反撃して蜂の巣にしたが、そのタイミングで砂が盛り上がり敵が出て来た
「敵、
「伏兵見逃してるじゃねーか!!」
砂の下から出て来た敵の
「見逃してねーよ!!
奴ら歩兵の足跡で砂に隠した
「奇襲されれば同じだ!!」
互いに
「一般用(パワードスーツ)に装甲を足しただけの
伏兵は5機、背中にある
爆発を確認する前に敵の戦車に向かう
味方が5機やられて生死不明だが気にしてる余裕はない
ロプノールから発進した後に戦車の後ろで砂山で隠れてた投車器が見えた
「隊長、戦車の後ろに投石器が見えます!」
「投車器だ!やつら廃車を質量弾代わりにするつもりだ!!」
「撃ってきたぞ!!」
車は乗用車だけだったが当たれば重さでフレームごと潰れて死ぬ
飛んできた廃車をロプノールが撃つが、爆発せずに廃車の回転を強める結果になった
「くそ、勢いが強くなってるぞ!」
「自動迎撃の欠点だ、各自防空圏内で散開!!」
ランダムにバウンドして飛んできた廃車の数は12個
コンピューターの予測は当てにならない
勘と反射神経と運で避けるが一人当たってしまい残り4機
後退しはじめる敵の戦車
追撃しようとしたその時、戦闘中なのに緊急アラームが鳴った
「ロプノールより緊急連絡、前(宇宙進出)時代の資源衛星が戦闘区域に落下中、
全軍直ちに対衝撃体勢を取れ」
上空には光に包まれ、燃えて、落ちてくる隕石が見える
巨大な光(隕石)が線を描き、この場所に落ちてくる
「ウソだろ……」
もう数秒で落ちてくる
残った
鼓膜が破れなかったのが不思議な程に凄まじい音と衝撃が辺りを包む
キノコ雲ができる爆発と粉塵に飲まれ、木の葉のように舞う俺の
戦場には居なかった真っ赤な
彼女との出会いが古い戦争に逆戻りした様な戦争を、
もう一度現代の様な戦争に進む「周回戦争」の始まりだった
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