日本の魔女物語
ピューレラ
一章 オーロラの魔女
第1話 レモン プロローグ
柔らかい波が静かに押し寄せる砂浜のすぐ傍に鍾乳洞のような洞窟が見えた。それがきっとメリッサの言っていた、オーロラの魔女の洞窟なのだろう。
その洞窟に近づく前に人気の無い砂浜でゆっくりと周りを見渡す。
別に人の気配を探しての事じゃない。
私自身が心を落ち着かせるための行為だ。
あそこに行ったら、私は『普通の人間』になれる。
怖がることじゃない。
潮風に髪が揺れていつも以上に強くレモンの香りが漂う。
いつもは後ろでみつあみに束ねている髪を今日はほどいてきた。オーロラの魔女に感じてもらうために。私の髪を。
けれど、大丈夫かな? 少しは勉強してきたけれど私の日本語で通じるかな?
ここは日本。オーロラの魔女も日本人のはず。
そんな心配を感じつつもザクリザクリと砂浜を洞窟の方へと歩いて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます