第31話声変わり
「よしっと!」
僕は地面から起き上がった。
レベルUPに伴い、HPとMPは全回復した。
「・・・また、魔法覚えたな・・・しかも二種類も!」
メニュー画面を開き、ハイドロゲン(H)の効果欄を確認した。
「・・えっと、なになに・・・オブジェクトは・・・やっぱり!小爆発ってなってる!敵をまとめて倒す時に、使えるな!」
そして新しく覚えた魔法名に、目を移す。
「ヘリウム(He)とリチウム(Li)か・・・。どんな魔法だろう!」
消費MPを確認すると、ヘリウム(He)が3・リチウム(Li)が4と表示されている。
ハイドロゲン(H)の時と同様に、3つのある効果欄は???と示されていた。
ステータスを確認すると、レベルアップに伴い数値がすこし上昇している。
「・・えっとHPが30とMPが9か・・・ちょっぴり強くなってるな!それじゃ、さっそく新しい魔法を使ってみよう!」
僕は目の前に右手を出して、魔法を唱えてみた。
「ヘリウム(He)!」
唱えたと同時に、右手から緑色の風が放出された。
緑の風は僕を優しく包み込み、僕の体を宙に浮かせた。
「う、嘘?と、飛んでる!?飛んでるよ、バフォちゃん!!凄くないっ!」
「はいはい、飛んでますね!飛べる豚ですね!ベェ!ベェ!ベェ!」
バフォちゃんの悪態はさて置き、僕の体は地上から約1メートルほどプカプカと浮遊している。
今までゲームで体感してきた事の中で、この体験が一番感動したかも!
人間の僕がまさか、すこしでも宙に浮けるなんて!
「ほっ!はっ!とうっ!」
僕は空中でカッコイイポーズを、いくつか練習してみた。
身体を横に傾けると、少しずつ前に前進した。
「あははは!スゲーっ!面白い~!」
宙に浮かんだまま、僕は奇声を上げながら散歩した。
その時、僕は体を包んでいる緑の風を口から吸いこんだ。
「あははは↑バフォちゃん↑・・・あれ?↑声が↑・・・高くなってる↑」
「坊ちゃん、声がいつもと違って面白いですよ!ベェ!ベェ!ベェ!」
第二の声変わり?
なんでだろう声が・・・。変な声に変わった!
しばらくすると、ヘリウム(He)の魔法の効果が切れて地上に着地した。
僕はメニューを開き、魔法の効果を確認した。
「ヘリウム(He)の効果は・・・・↑・・っと・・浮遊・声が変わるか・・不思議な効果だな?」
「坊ちゃん!声が変わって面白いからって、緑の風を吸い過ぎると最悪・・死んじゃいますからね!特に小さい子供には与えないでくださいね!ベェ!ベェ!ベェ!」
怖いな・・。
自分の唱えた魔法で死んじゃうって・・・シャレにならないな!
取り扱いには、気を付けないとな!浮遊の効果は使えそう・・・って言うか楽しいな!
緑の風を吸わないようにして、使うとしよう。
しばらく時間が経つと、いつもの声に戻った。
「よっし!次は戦闘で使ってみよう!」
移動していた森エリアで、敵を求めて歩き出した。
エリア事に対応したモンスターが出現する仕組みみたいだ。
カルマの街からすぐの場所だけど、もうすこし強くなったら森の深くまで探索してみたいな。
その時、森の手前を歩く僕の前に、モンスターが現れた。
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