異世界化と記憶喪失と奴隷。

月光夜

第1話 世界の変化と現状



『……やあ、こんにちは。私は神だ。今、地球上の全人類に話しかけている。


今こうして話しかけているのにも理由がある。


それは、今後地球各地に“ダンジョン”というものが出現する。諸君らにはダンジョンを全て攻略してほしい。

方法は簡単だ。そのダンジョンの一番奥に行けば攻略したとみなされる。


ダンジョンは人類に害を齎すものが巣食っている。それらを殲滅しつつ、攻略に励んでくれ。


さて、いきなり攻略しろと言われても戸惑うのは目に見えている。そこで、全ての人々に“ステータス”や武器、防具を授ける。


そのステータスに記載されている能力は全て実際に使える。多少個人差もあるが、努力次第では大きく化けるだろう。


武器や防具は簡単な物だが、ダンジョンでより強い物が手に入る。


後は、ステータスの影響で容姿が少々変わるくらいだろうか。



これで説明を終わる。何か追加要素がある様ならまたこの様に説明しよう。



では、諸君らの頑張りに期待する』



日本時間9時ごろ、そんなメッセージが一斉に全人類へと来たそうだ。


寝ていた人は何故か起き、子供でもなんとなくだが理解できたらしい。


メッセージは脳内に直接語りかけている様な感覚で届き、聞き逃しなど全員なかった。





そしてこのメッセージの後に世界各地で地震が発生。その後森や山に大きな洞窟が各国に出現。おそらくダンジョンであると考え、危険の為日本では立ち入り禁止となった。




しかし、アメリカ合衆国ではダンジョンの攻略をしようと軍を用意して入ったそうな。


そのおかげでわかった事が三つ。


一つは、ダンジョン内にはアニメでよく見るモンスターが徘徊し、人間が近づくと襲いかかってくる事。


二つ、ダンジョン内では銃火器や機械が使えない事。


三つ、ダンジョンには所々に宝箱があり、それを開けると未知の薬品…所謂ポーションや、その他アイテムが入っていた事。



ダンジョンに入ったアメリカ軍は、銃火器が使えずモンスターに襲われて大半が死亡、命からがら逃げて来た数名がアイテムを持ち帰り、この事が判明した。




その一方、ヲタク文化が根付いている日本では、どこぞのヲタクが『ステータスオープン!』と叫んだらしい。そうしたら本当にステータスが出てきた。


ステータスを出した瞬間、その人物の髪、目の色が変化した。その現象はステータスを出した者全員に現れ、これがステータスの影響かと一時期ネットを騒がせた。


試しにステータスに書かれていた『水魔法』を使おうと『ウォーターボール!』と厨二よろしく言ってみたらなんとこちらも成功。


その情報が流れた時、日本国民の厨二魂を再燃させた。




そして現在。



アメリカでは、ダンジョンで取れる未知のアイテムを求めて軍をダンジョンに派遣、一般市民でもダンジョンに入れ、取れたアイテムは高額で買い取ってもらえる。


一攫千金ができる場所という事でダンジョンに入る人が相次ぎ、アイテムの数が多い国となったが、その分死亡率も上がった。



日本では市民がヲタク文化を利用し、魔法の種類を増やしまくった。それによりダンジョン攻略効率も大幅にアップ。


ダンジョンに入る為にはギルドという日本独自の組織に入る必要があり、試験を受け、実力を確かめてようやく入れる。


組織内でもランクがあり、ランクは実力を表す。


ダンジョンには奥へ行くほどモンスターが強くなる。ランクごとに入れる深さが変わる。

これにより日本の死亡率は他国に比べ低いのだ。


また、学校でも戦闘訓練を受けれるのも日本の死亡率が低い原因でもあるだろう。




_______ネット情報『五分でわかるダンジョンの事』から一部引用


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る