第7話 ランナーたち




最初の街を目指す。





徐々に陽の光が満ちる朝、

メルシーは張り切っている。



「作戦を考えました」




「・・・」




「じゃーん、・・・コバンザメ作戦です」




【作戦概要】

上手そうなプレイヤーの後に 何食わぬ顔で ついていく。




へぇ、ちゃんと考えてるな・・・

恥と外聞は・・・

捨て去っている気もするが






$$$







上級者っぽいひと達の後について行く。

炭火も渋々追いかける、

サボりたかったが、フレンドメルシーの押しは強い。




「あれ・・・速い・・・」




そのパーティーは、ダッシュでフィールドを駆け抜けていく。

「はぁはぁ・・・」

(追いつけない・・・)

あっという間に見えなくなってしまった。




「炭火さん、あれ、どういうことですか?」


「どういうことって、何が?」



「どうしてあんなに速く走って駆け抜けるんです?」


「え、普通だろ」



「冒険って、もっとゆったり歩いて、周りの風景を楽しみながら するものじゃ?」

俺らは観光客か




まぁ確かにゲームってフィールド上で、謎にダッシュし続けて、

のんびり歩いている奴なんていない気もするな・・・



「だって、リアルじゃそんなことしないじゃないですか」

リアルと一緒にすんな




「ほら、俺らも急ごうぜ」




「うう、私としては、もっとゆっくり景色を堪能したいのに」





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