おもちゃの車

これは遠い遠い、遥か彼方の星の話。

アロルドという男の子がいて、おもちゃの車が大のお気に入りで、どこへ行くにも、食事の場にも寝るときにも連れて行っていました。

そのうちに、おもちゃの車はだんだんものが見えたり、聞こえたりするようになってきて、アロルドと離れているときに寒いと感じるようになって、そうしていつしか、心が芽生えていました。

ある日、アロルドと眠るときに、車はこう思いました。

このまま二人で旅に出られたらいいのに。

夢の中で二人は空を翔け、海を駆け、冒険の最後は家に帰り、いつものように二人、寝床で眠りました。

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