童話もどき

ritsuca

うちわ

 ゆうちゃんは、うちわが大好きだ。

 とても好きなので、夏の間、扇いでは齧り、齧っては折り曲げて遊んでいるうちに、ゆうちゃんのおうちのうちわはすべて壊れてしまった。


 冬が近づいて、よちよちあんよだったゆうちゃんは、とことこあんよになった。

 お外を歩いては、指さして叫んでから、落ち葉を拾う。

 ひらひらと扇いで、崩れる前にお母さんにどうぞして、そしてまた、次の落ち葉を拾うのだ。

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