第1章
私は学校で行われた自由参加の学習会に、理科をとって受けていた。理由は来月行われる学習診断テストの対策を行うからだった。しかしそんなのはみんなに言うための理由で、8割ほどは違う理由だった。
それは「好きな人の教室だから」
去年同じクラスだったKに私は恋をしていた。いつからだっただろう、こんなにも好きになったのは。
最初同じクラスになった時は
「字をきれいに書きそう」
それが第一印象だった。しかし、その印象はその日のうちに破壊された。Kは字が汚いというより下手だった。少し小柄で髪がくせっ毛、少し内股に歩くのが彼だった。いつもクラスの中心にいて、私とは対照的、クラスの2代イケメンの1人だと私は思った。かおもいけてるのだが、それより雰囲気がかっこよかった。どこか人を惹きつけリーダーとなれるような所があり、いつも明るいメンバーと一緒にいた。私はなんとなくKを目の端に入れながらも、違う人に好意を抱いていた。少しは触れ合う機会があっても、特になんの感情も持つことなく楽しい日々が続いていた。そんな中、私の心が揺れ動いたのはその年最後の席替え。
その頃には、好意を抱く相手もいなくなっていて親友のYと何気なく過ごしていた。
「同じ班になりたいね。」
そう話しながらくじを引くと結果は1班。同じ班になったことを喜びながら座席の位置を決めるくじを引くと私の隣の席はKになった。それまで1度は同じ班になっているものの、隣ではなく少ししか話していなかった。
私は「絶対仲良くなれるタイプじゃない。明るくてクラスの中心にいる人とは対照的すぎる。」と、不安に思っていた。
しかし隣になると、どうしたものか。すごく仲良くなれてしまった。Yや周りの人からは「カップルみたいだし仲がいい」といわれていた。
さらに「Kがバスケ部の練習の時Hのことかわいいって言ってたよ。」とYから私の耳に伝えられた。
嬉しいとは思ったが、好意は抱かなかった。
—しかしこれが私の恋の幕開けだったと今は思っている。この時Kは同じクラスの女子Sとつきあっていたが、私は知らなかった。
それからというもの、私はなんとなくKを目で追うようになり、朝あいさつをするだけで少し緊張した。
Kがカーディガンの袖に穴が空いたとか言ってカーディガンを変えた時、わたしは思い切って言ってみた。
「そっちのが似合うね。」
するとKは嬉しそうに笑って、こう言った。
「ほんと?やったー!でもこれ薄いから少し寒いんだよね。」
そして、私に新しいカーディガンの素材を触らせてくれた。私は言ってよかったなと思った。
そんなことが続いていたある日、あの事実が発覚した。
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