クイズ(脂肪吸引)の答え

今回もご参加ありがとうございました!

選択肢を考えていたら、いつのまにか小難しい問題になってしまいました。

生来のマニアック気質が災いしているのだと、再確認いたしました。

もっとPOPになりたい!





正解ですが、

誤っているものは、5)です。


「あっ、切っちゃった」というときドバッと血が出るのは、身体が血を出したいからだと考えられます。

洗浄、免疫、凝固接着などのために、一気に出血します。

つまり真皮中や皮下の浅い場所には、わざとらしく血管網があって血流を豊富にしています。

脂肪吸引術中には、皮膚に近い浅いところを避けることで出血量を減らせます。

出血量が少なければ、より多くの脂肪を吸引できます。

皮膚をペラペラにするまで吸引してしまうと、仕上がりが凸凹になりやすく滑らかに出来ません。

また、血管網を広く壊してしまった場合は皮膚壊死のリスクが高まります。


皮下のより深い層では血管、神経、繊維組織が太いので、吸引カニューレによる損傷を免れます。

逆に出血は少なく抑えることが可能です。


深いところを根こそぎ吸引して、皮膚とその直下をセットにして無傷で少しだけ残したほうが、少ない出血で滑らかに美しく仕上げることが出来ます。





他の選択肢については……


1)通常の脂肪吸引用の道具による手術では、太い血管ほど損傷を免れる○


ふくらはぎにウネウネと太いたくさんの静脈瘤があるかたでも、ちゃんと脂肪を吸引しながら、それらを傷つけずに手術を終えることが可能です。

吸引に使用するカニューレの先端は、切れる刃はなく丸くなっていて、穴も側面に開いています。

でも、テキトーに乱暴に操作した場合は、損傷するかもしれません。


2)術後にむくみを生じているときには、普段よりも多めに水分を補給すべき○


吸引後に高度なむくみを生じますが、これは血管の外に水分が逃げているのです。

水の入った水筒をぶら下げて持っているのと同じ状態です。

水筒に入っているだけでは、その水を身体が使うことは出来ません=脱水状態。

術後はいつもより多めに水分補給する必要があります。

腎機能が低下しているかたでは、要注意になります。


3)腹部よりも、太ももやヒザ周りのほうが、術後にむくみを生じやすい○


お腹はあまりむくまないほうです。

ヒザまわりを吸引した場合は、リンパ液の交通が阻害されるのか、一番むくみが目立ちます。

ちなみにリンパ液は血管ではなくリンパ管を流れているので、心臓のポンプ圧ではなく、全身の筋肉の動きで流れを維持しています。

術後1週間ほどしたら、手術部位も積極的に動かし始めると治癒を助けることができます。


4)頬やアゴの裏も皮下の脂肪吸引が可能である○


可能なのですが、熟練を要します。

ごく少量の皮下脂肪を凸凹を作らず、左右バランスをとって、取り過ぎず(ゲッソリすると老けてしまいます)キレイに仕上げ、術後の適切な圧迫とマッサージの指導をして……という難しい過程を完遂できる医者は、ほんの一握りのようです。

たいがいはほとんど吸引せずにごまかしたり、あるいは取り過ぎたり、左右でアンバランスだったり。怒

目立つところに大きくキズを作られてしまう場合もあり。


6)同じ個人では、肩甲骨付近よりも内もものほうが皮下脂肪層は厚い○


肩甲骨のあたりなど背中あたりは、真皮の厚みが驚異的です。

1センチ近くあります。

一方、太もも内側の皮膚は比較的薄く、痩せているかたでも皮下脂肪はけっこうあります。

お顔の脂肪注入をするときには、ここか下腹部(へそ周り)から脂肪を採取しやすいです。

え?

お顔の脂肪注入ってなんだよ、って?

はい。

これがタルミ改善であると書いたら、意外ですか?

テレビに出ているひとたちは、けっこうやっているといったら、驚きますか?

むふふ。





次回、お顔のタルミについて。

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