クイズ(皮膚の厚み)の答え

人間の身体で真皮がいちばん厚い場所は、

「背中」

です。

とくに正中、脊椎のあたりです。

脊椎にガブッとキバを突き立てられて、脊髄をやられてしまうと、そこから下の身体が動かなくなって、逃げることができなくなります。

よって、四つ足動物にとってまず大事なのは、脊髄のある背中です!

(いや、わたしの勝手な解釈かも……笑)

厚みは1センチくらいあります。

「背中の肉があまってて、イヤになる」

といいつつ手でつまんだりするとき、つまんだ量の半分以上が皮膚です!


反対に、まぶたの真皮が分厚いと都合が悪いのです。

眼瞼挙筋がんけんきょきんという薄い膜のような筋肉が、眼球の奥のほうから伸びてまぶたの中の軟骨(瞼板)に付着していて、引っ張ってまぶたを開けています。

瞬きは瞬時に行われる素早い動きなので、薄い皮膚のほうが有利です。

また、眼瞼挙筋は薄くて伸びやすいので(ご老人はこれが伸びてしまう傾向になり、まぶたの開きが悪くなっているかたがチラホラ)、厚くしっかりした真皮だと筋(筋膜)の負担が大きく、不利です。

顔面の皮膚は、四肢体幹と比較して薄いですが、その中でも眼まわりの皮膚は真皮が薄く、それで内出血も目立ちやすいです。


手のひら、足の裏も真皮が厚いと不利です。

ただでさえ角質が非常に分厚いので、真皮までしっかりしていると動かしにくい。

まして感覚を鋭くしないといけない部分です。

真皮は可能な限り薄い構造になっています。


お腹は、ほ乳類はなぜか皮膚が薄いですよね。

犬なんかも、身体じゅう毛がふさふさしているのに、お腹だけは毛がなかったり。

けっこう真皮は薄いです。

なぜなんだろう。


口腔内は粘膜で覆われています。

つまり、皮膚は存在しません。

真皮はありません。

口の中を切っても、縫う必要がないくらいキレイに治ってしまうのは、真皮がないからです。

唇の赤い部分(赤唇部)は、いつも濡れているあたりは粘膜皮膚移行部と呼び、粘膜から皮膚に次第に変化している場所です。

母斑(ホクロ)は皮膚にしかないのですが、赤い唇の皮膚部分にはあったりします。


タコが分厚いのは角質が異常に肥厚しているからです。

そこに体重がかかったりすると、真皮が押されて、もしかしたらさらに薄くなっているかもしれません。

ただし、指の横にあるタコは、手のひらや足底ではないので、比較的真皮は厚いです。





というわけで、正解は厚い順に


4(背部)>3(腹部)>1(眼瞼)>2(足底)≧6(手掌や足底のタコ)


ペンダコとか靴のせいで出来る足のタコとか、手のひらや足の裏というより普通の指の皮膚に出現するタコは、3と1の間です。

5の口腔内は真皮が存在しないので論外。


あ〜、自分でも思った以上にイジワルな問題でした。

すみません!!!


この真皮の厚さが、ケガしたり縫合したりした後の瘢痕はんこん(キズアト)に関係してくるのです。





次話、キズアトについて、へつづく



PS:お腹の皮膚が薄いのは、体温調節に有利だからかもしれません。

うちのトイプーは、暑くて仕方ない時にひんやりしたタイルに腹をペタッとくっつけています。

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