エッセイ:医療の雑ネタ(怒りの豆知識。笑)

瀬夏ジュン

傷口に砂糖とか……

先日ネットで、

「砂糖を抗生物質の代わりに使用して傷口を治療可能だとする研究結果」

という記事を見ました。


https://gigazine.net/news/20180402-hidden-healing-power-of-sugar/


なにをいまさら、と思いました。

傷口に砂糖は、とてもいいのです。

大好きです。

寝たきりのおじいちゃん、おばあちゃんの褥瘡には、昔から砂糖とイソジンを混ぜた軟膏を塗っているのです。

わたしも、せっせせっせと塗っておりました。

明治製菓作成の「ユーパスタ軟膏」。

潰瘍面をじゅうぶんに洗浄して、これをたっぷり塗って、ガーゼを厚く当てる。

治りがいいです。

最高です。


褥瘡とは「床ずれ」と呼ばれる、なかなか治りにくい潰瘍です。

自分で寝返りが出来ないご老人は、一日中だれかに何度も体位を変えてもらわないと、すぐにこれが出来てしまいます。

骨が突出している場所に多いのですが、自分の身体とマットの板挟みになって、皮膚に血が通わなくなり、壊死に至るのです。


年々マットも進化して、一晩体位変換をしなくても大丈夫なものも珍しくありませんが、みんながみんな最先端のものを使用しているわけではありません。

介護する方の負担も大きいです。

褥瘡好発部位に特別なパッドを当てたりもしますが、潰瘍根絶までほど遠いのが現状です。


ちなみに、睡眠薬を多量に飲んでしまって、深い眠りのまま数時間経過してしまった場合も、褥瘡を生じます。

不幸な体勢で昏睡していた場合、腕に血が通わずに広範囲壊死を招いて、片腕切断に至ることもあります。


砂糖については、皮膚の治療だけでなく、胃潰瘍の治療にも一役買っています。

胃潰瘍経口治療薬のスクラルファート(市販もされています)は、

「ショ糖硫酸エステルのアルミニウム塩」

です。


怒りの豆知識。

ここまでは、別に怒っていません。

さて、わたしは。

何に怒っているのかといいますと……。





第2話につづく



PS:現在「ユーパスタ」は明治製菓ではなく、興和になっているようです。すみません。明治といえば、イソジンという名称も違う会社のものになっていますね。

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