水色のスケッチャーズ

新しい靴は水色の、スケッチャーズ。

これを履いて、今日から私は走ることにした。

だって脚があるのだし、

目だって見えているのだもの。


あたしは探し出さなくてはならないの。

ほんとうのあたしを、

救い出してあげなくてはならないの。


古いものに押しつぶされて、うずくまって息苦しい思いをしているあたしを

助けてあげなくてはならないの。


だから、もう、絶望している暇はない。


水色のスケッチャーズで走って行くことにしたから。

だから、もう大丈夫よ。


助けてくれなくてもいいわ。

ここで、命が終えるまで、

やってみることにしたから。


宇宙に向かって、そう、テレパシーを送った。


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