第2144話 楽しみなこと
本日は我が家の大天使枠こと、息子君の誕生日です。12歳、年男です。1月2日に母の腹を切り裂いて産まれた
巳年生まれだからなのかはわかりませんが、彼は『蛇を首に巻くイベント』があれば必ずやりたがりますね。そんなの私だって絶対やりたいやつよ。私に似たのかな。
さて、息子の誕生日なのですが、本日は娘とのお話です。我が家の小悪魔枠、娘ちゃんです。
ほんの数年前までは家族全員でお風呂に入っていた宇部家ですけれども、さすがに子ども達の教育上よろしくないのでは、ということで男女で分けました。あと、まぁシンプルに狭いので。
で、湯船に浸かって「ヴァァァァァァ」とか唸っておりましたらば、娘が言うわけですね。
娘「お母さん、今日の夕飯って何?」
彼女はですね、毎日夕飯を確認して来ます。帰って来たらまず聞いてきますから。大抵私が台所にいるのでね。ですがその日は旦那が焼きそばを作ってくれるということで、そのタイミングを逃したようでした。
宇部「今日はお父さんが焼きそば作ってくれるよ」
娘「お父さんの焼きそば! やったぁ!」
旦那の焼きそばは家族全員大好き。特に何かすんごい具材が入ってるとかではないのですが、元々焼きそばが好きなところへ『お父さんが作ってくれる』という特別感が加味されるのでしょう、皆が美味しい美味しいと言ってくれるので、旦那も張り切って作ってくれるのです。
宇部「お母さん今日夕飯作らなくて良いから楽ちんだなぁ」
ついついそんな言葉も漏れます。
娘「待って。お父さんが焼きそばを作ったら、皆幸せになるんじゃない?」
突然娘が悟ったみたいな顔で言い出しました。
宇部「どういうこと?」
娘「お母さんは楽が出来て幸せ」
宇部「うん」
娘「私とにいには焼きそばが食べられて幸せ」
宇部「うん」
娘「っていう」
お 父 さ ん の 幸 せ は よ
いや、まぁ家族が幸せならきっと旦那も幸せなはず。そう思うことにしました。実際そういうことを言いそうな人だしな、うん。そう一人納得しておりますと、娘が「そういえば」みたいな感じで言うのです。
娘「お母さん私ね、毎日なんか楽しみなことがあるんだけど」
宇部「ほうほう」
突然何だ? と思いましたが、「そういえば」ということですから、きっと何かしらの関連がある話のはず。
娘「学校のこととかぁ、部活のこととかぁ、そういう楽しみなことが何もない日も、家に帰ると必ず楽しみなことがあるんだ」
一瞬、何を言ってるのかわかりませんでしたが、要は、学校行事や部活のイベント、そして休日のお出掛けの予定とか、なんかそういう感じの『楽しみなこと』がない日でも、それでも、家には何かしらの『楽しみ』があるのだと、そう言いたいのでしょう。
エー、何?! なんかそういうの、素敵やん?
あなたにとって『家』が、『家族』が、そういう場所になってるってことでしょ?! エー、素敵やん? 何それ! 絶対聞きたい!
少々島田紳助風味に感動しつつも私はピンと来ました。
話の流れ的に絶対これでしょ、って。
『私、お母さんの作るご飯が楽しみ』
絶対これでしょ。
これだったらもう
いや、もしかしたら、家族みんなでご飯を食べること、って線もあります。それももちろん花丸ですとも。
でもとにかくそれ系だと思いました。
何せその直前まで夕飯の話をしていたわけですから。
厳密にはお父さんの焼きそばの話でしたが、旦那は毎日ご飯を作るわけではありませんので、『家に帰ると必ずある』とやらに該当しないはず。
だったら!
やっぱりここはお母さんの作るご飯でしょ?!
お父さんの料理ばかり褒めちゃったから、お母さんのことにも触れてあげようって思ったんでしょ?
そうでしょう?! カワイコちゃん!
ドキドキしながら尋ねます。
宇部「その『楽しみなこと』って何?」
娘の答えは――?!
娘「あのね、寝る前にあのもこもこのパジャマ着ること!」
これまでの話一切関係ねぇやつ――!
そうだった! この子はそういう子だった! 結構脈絡なく話す子だった! そういうところ、
びっくりしましたね。
だってこの話、クリスマスから二日後のことなんですよ。
もこもこパジャマに出会ってからまだ二日。お前達まだそれほどの付き合いでもないじゃん? 何? オリコン初登場第1位ってこと?! 一日何もなかった日でもそのパジャマだけでチャラに出来ちゃうのね!? そんなにも気に入っていただけたようで何よりでございます!
というわけで、息子、誕生日おめでとう!
お前の妹、なんかめっちゃ自由だぞ!
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