第2139話 嫉妬しちゃう
本日はですね、ちょっともう最高のエッセイを読んだのでそちらを紹介させていただきたい。
それがこちら。
『妹は麻薬捜査官』犀川 よう様
https://kakuyomu.jp/works/16818093089463432081
第9回のカクヨムコンで短編特別賞を受賞された方のエッセイですね。その特別賞の作品は読んでないんですけど、ただ、タイトルは見ました。『(復刻版)今は専業主婦だけど、週末はホームレスをしていた話』です。読もう読もうと思って、なんかタイミングを逃してしまっていました。
ですが、タイトルと作者名は覚えておりましたので、今回のこの『妹は〜』を見つけた時、びっくりしたのです。この方、ホームレスも経験して、且つ、妹が麻薬捜査官なの!? と。
読むっきゃねぇ。
そう思いました。
するとですね、大丈夫(何が大丈夫なのか)、麻薬捜査官が登場するごっこ遊びの話だったんですね。なーんだ安心。
で、内容も抜群に面白く、これはこれは大変結構なものをと思いながらウホウホとレビューを献上しましてですね、めでたしめでたし、というわけなんですが。
ここで終わったら驚きの500字未満なのでね、もう少し語ります。
いやもう、嫉妬しちゃうなって話ですよ。私だってね、エッセイ書きまくってるんですよ。だけど全然この人に届かない。
私の中でエッセイって大きく二つに分かれてて、
①内容としては日常のなんてこともない話(書き手の筆力次第で面白さが決まる)
②そもそも普通の人にはなかなか体験出来ないやつ(内容が既に珍しいやつなので、笑いに走らなくてもOK)
って感じになってるんですね。なんか①の方、悪意のある書き方になってる気がしないでもないですけど、気のせいです。
で、②については、別に、書き手が元スペースシャトルのパイロットとか、両親がスパイと殺し屋で自身もエスパーとか、そんなんじゃなくても良いんですよ。なんなら、動物園の飼育員さんとかそれくらいの珍しさでも良いし(十分珍しいけど)、裏側を知らない人にしてみればどんな職業の話だって新鮮なわけだし、美容師さんとか、市の職員さんとかでも全然。
あと、例えば飼ってるペットの話や、闘病記、大切な人との別れの話なんかも②に属すると思います。コ□ナが流行り始めた時、例の客船内にいた方がエッセイを書いてた気がするんですけど、そういうのももちろん②です。どれも皆が日常的に体験するわけじゃないし。ペットとの生活は日常だけど、飼ってない人もいるわけですから。
それを言ったら①の日常もそうだろって話ではあるんですけど、いやもうその辺はニュアンスで感じ取ってくれ。
とにもかくにも私はそんな感じで分けてますよ、っていう。もちろん異論は認めます。
で、これでいくと私のエッセイは①です。たまに珍しい体験もしますけど、基本的には①。もうほんとね、内容としては全然大したことないやつ。箇条書きで、それも三行とかでまとめられるような、そんなやつばっかりなんですよ。それを、まぁ自分で言うのもアレですけど、精一杯面白く書いて何とかしてるわけです。
ですがこちらのエッセイ、内容も内容ですし、筆力も半端ない。そもそもごっこ遊びしようぜ、ってなった時に麻薬捜査官をチョイスしないでしょ。そういう意味では②のエッセイだと思うんですよ。しかも、読んだらわかるんですけど、この方、結構なお嬢様みたいでね。そういう意味でも②です。間違いなく。なのに、めっちゃおもしろく書くスキルもある。
もうね、嫉妬しかないですね。羨ましすぎる。
私も何かパンチの効いたごっこ遊びしてなかったかな? って記憶を漁りましたから。そういうことじゃねぇってな。
そしたら、そういや息子がバブバブの時に『大統領ごっこ』をしたな、ってのを思い出したんですけど、ただ単に、授乳クッション(三日月みたいな形のやつ)にどっかりと座っている赤子を大統領に見立ててお世話をする(「大統領! スケジュールが押してます! 現在、ねんねの時間です!!」)、ってだけのやつなので面白さ0なんですよね。あれはもうほら、子育てに疲れて現実逃避してた時のやつだから。
そういうわけで、みっともなく嫉妬しながら生きてます。ですけどもうどうしようもないのでね、その辺は。まぁいっか。良いんじゃねぇか。
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