第2130話 ツーアウトから始まる

 さて、ドラマティックなへその続報です。

 また大学病院に行ってきました。


 あっ、大丈夫、なんかよくわからないウルトラC展開で「メンゴメンゴ宇部さん、これやっぱり悪性ヤバいやつでした!」みたいなことにはなってません。なんてことはない、術前診断とかそんな感じの名目で、手術の約一ヶ月前にあれこれ検査をしたり、入院時に何が必要かとかそういう説明だったりするやつです。


 というわけでいざいざ大学病院へ。

 ええ、もちろん旦那はその日仕事をお休みしてくれました。つまりはドライブデートです。

 

 その日もキャッキャとお話しながら秋田市へGOです。

 今回はそこまでの爆笑ネタはなく、重視穏やかムードで病院に到着したわけですが、まぁ想定内ではあったんですけど、駐車場が激混みでね。なかなか空きも見つけられなくてぐるぐるしてたら予約時間も迫って来ちゃったし、その直前までトイレ行きたいね、なんて話もしてたものですから、私も旦那も少々切羽詰まった状況でね。


 それで、とりあえず私一人で受付を済ませてしまおうということで、病院の前で先に下ろしてもらうことに。


旦那「じゃあ俺は車停めたら行くね」

宇部「わかった!」


 かなり昔にも何度か来ているといえ、今回のへその件ではまだ2回目。受付の方法だって昔とは変わってますから、何をどうするんだっけとドキドキです。ですが私も良い大人。やれば出来る子のはずです。いつまでも旦那に甘えてもいられません。


 気持ちキリッとした顔を作って、私は車から降り、軽く旦那に手を振って勇ましく歩き出しました。短い階段を上って、いざ!


 違う建物でした。


 エッ、ここどこ!?

 あっ、なんかよくわからないセンターだ。病院に隣接してるタイプの。そういや前回来た時もこんな階段上ってなかったわ! 何で初見のルートを選んだ!?


 入り口(?)は同じなんですけど、病院へは屋根付きの歩道みたいなところを通っていくのですが、その謎のセンターは階段を上っていくのです。ちょうどその分岐点で下ろされたようで、どういうわけか吸い込まれるように階段へ向かってしまったわけです。馬鹿かよ。


 そしてどうやらこの姿、ばっちり旦那に見られていたらしく、「あんな自信満々にどこ行くんだ……」と思ったそう。よっぽど窓を開けて「違うよ!」って叫ぼうと思ったらしいのですが、私がすぐに気付いたのでやめたそうです。ナイス判断。


 さて、そんなこんなでどうにか院内です。自動受付機で受付を済ませ、素早くトイレを済ませて旦那と合流。旦那もすんでのところでトイレに間に合ったようで一安心です。


 まずは診察の前に入院前の説明があります。発行された受付票に記載されているのは、『総合〇〇科(もう忘れた)』。院内地図で確認すると三階です。よっしゃ、行こうぜ! と向かいますと――、


受付「あっ、入院前の説明ですね。すみません、これ、『総合〇〇科』ってなってますけど、一階の総合受付なんです」

宇部「エッ(あっ、そういや前回、そんなこと言われたかも!)」


 謎のセンターに入ったり、行く場所を間違えたり。始まる前に2回やらかしました。ツーアウトです。まだ医者せんせいに会ってすらいないのに。もう後がない。

 いや確かに前回言われたけどさ、もうだいぶ前の話だよ!? それに受付票に印字されてるのここ(三階)だもん!!


 と責任転嫁をしつつ、一階へ。やっちまったとしょんぼりしている私に旦那は言います。


旦那「RPGでよくあるやつだね」

宇部「?」

旦那「色んな人から話を聞いてアレコレ移動したのに、最終的にスタート地点にその目的の物があったりするやつ」

宇部「あぁー」


 成る程、そういうこと。……そういうこと?

 まぁ旦那なりの気遣いですね。そういうところがまた優しい人。


 とにもかくにも、どうにかたどり着きました。

 ここから事務員さんや看護師さんから入院時に必要なものだったり、当日の流れ、入院生活についてのお話をいただきました。予定時間は1時間だったのですが、たかだか説明でそんなに? と思ったら本当に1時間かかりましたね。


 さぁ、既に11時です。

 ここから今度は先生の診察かぁ、どれくらい待たされるんだろうと思い、事前にトイレへ。


 そしてこのトイレが、さらなる悲劇を生むのでした。


 続きます。

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