第1799話 農場

 いま気づいたんですけど、明日って1800話じゃないですか! カクヨムコンのあれこれですーっかり忘れていたぜ! 将棋駒の絵ばっかり描いてる場合じゃねぇ!


 とりあえず明日のことはあとで考えます。何せほら、いまはいまでネタがアレなんでね。


 という『ネタがアレ』の時は子ども達です。子ども達に助けてもらいましょう。


 先日、娘に「保育園時代、入学時、そして現在について、当時の写真を用意し(コピーでも可)、親にインタビューをしましょう」みたいな課題が出たらしく、スマホのフォルダを漁りに漁って珠玉の三枚をセレクトし、さらに質問の下手さにかけては定評のある娘インタビュアーさんからの質問攻撃を受けてきました(質問内容は各自で考えるシステム)。


 好きな食べ物と好きな料理ってそれはアレ? 食材と料理名で分けろってこと? これ質問分ける必要あったかな? などなど、各所に下手さがキラリと光る質問に答えつつ、懐かしい写真や動画に癒されつつ、インタビューは終了。そういや息子の時もこんなのあったなぁなんてホクホクしてですよ。


 そんでね、その翌日、子ども達がお休みでね。

 子ども達がお休みっていうか、旦那も休みだから私だけが仕事なんですけど、まぁ多少のんびりした朝ですよ。ご飯を食べ終えた子ども達が仲良く肩を並べてゲームやってるんですよ。まー後ろ姿が可愛すぎる。


 マイクラね。

 

 彼ら最近『コマンド』にハマってるんですよ。よくわからないけど、まぁとにかくプログラミング的なやつかな? 入力したらなんかもうババババーって色々出来るらしくて。息子がね、クリスマスプレゼントに、そのマイクラのコマンドの本をサンタさんにお願いしたんですよ。覚えてますかね、Amaz〇nさんで検索して、その画像を見ながらサンタさんへのお手紙を書いたものだから、本のタイトルじゃなくて、ファッション雑誌で言うところの『愛され女子の1週間コーデ!』みたいな大見出しの方を書いちゃって、我々(サンタ)が特定するのにどえらい時間かかったやつ。あれです。


 それをね、息子が見て、妹に教えているわけです。

 普通はね、見ながら自分でやりますよ。それか、お兄ちゃんなんだし、妹をもっとこき使うというかね? そういうものじゃないですか。宇部家は逆ですから。


娘「にいに、これ、どうやるの?」

息子「えーっとねー、まずー、小文字のeとー」


 調べさせるから。兄に。

 兄もね、「何で僕が」とか言わないから。

 eってどれ? gってどこ? などと多少高圧的に聞かれても「右右、その上!」とちゃんと教えてくれます。ウチの姉とは大違いです。


 それでですよ。

 娘ちゃん、もう少し優しい言葉で、などと娘をたしなめつつ、仕事に行く準備をしてたのですが、しばらくして娘が「できた!」と言うわけです。居間にいた旦那が「うわぁ、すげぇ」と反応しています。何だ何だ一体何が出来たんだ。


 化粧を終えて洗面所から出て来ますと――、


宇部「うっわ! 何それ?!」


 画面いっぱいに牛がいました。


娘「牛たくさん作るマシーンだよ」

宇部「牛たくさん作るマシーン……?! おい、北海道でもこんなに牛密集してねぇぞ」


 狭い柵の中に、満員電車か? ってくらいの牛がいました。もう、ぎゅうぎゅうです。まさに、モウ、牛牛ぎゅうぎゅうですよ。うまいな私。 


 我々の反応に気をよくした娘は、次に鶏も続々と生み出し、柵の中はもうカオスです。せっまいせっまい柵の中にぎゅうぎゅうの牛とキチキチのチキンです。うまいな私。


宇部「ねぇ、ちょっと大丈夫なの、その農場。家畜達、そんなに詰め込んだらストレスがすごいんじゃない?」


 ママは心配です。

 最近、ストレスを与えない方が肉は美味しくなる、みたいな内容の映画を観たばかりなのです。完全に食べる牛と鶏で考えています。


 すると娘は言うのです。


娘「大丈夫、最終的には燃やすから」


 最 終 的 に は 燃 や す か ら ? !


 何そのサイコパスみたいな発想!

 何?! ずさんな管理体制を隠ぺいするべく、全てを闇に葬り去る気?! そういう映画ありそう!


 そんであれでしょ?

 最後はそのめらめらと燃える農場を見つめて「これで良かったんだ……」とか呟くんでしょ? タイトルもさ、『農場ファーム』とかそういうさっぱりした感じのやつでさ、もう逆に怖い、みたいな。そういうやつでしょ?

 

 そんで何もかも終わった、と見せかけて最後の最後に生き残った牛とかの影がチラチラするんでしょ!?


 お前、やっぱりママの子だね!?

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