第1566話 結局人間が一番怖い

 ここ数年、ありがたいなぁと思うのがですね、現実世界ではコミュ障の名をほしいままにしている――余談ですけど、『ほしいままに』って『ほしいままに』って書くんですよね。恥ずかしながら最近知りました。漢検二級持ってるのにおかしいな――私なんですけど、ネットの世界では『フォロワーさん』なる存在がいるわけです。


 この『フォロワーさん』っていうのがよくわからないんですけど、『友達』ではないわけですよね。そのまま訳すと『追従する人』とか、『SNSでの購読者』と出ました。まぁ後者でしょうね。


 でも私の中では勝手にお友達くらいの認識でいます。だって確実にいま思い出せるリアルな友達よりもやりとりしてる。


 それでですよ。このカクヨムでは、相手の方も書く人ならば作家仲間であったり(勝手に仲間とか言い出す)、読み専さんならワイワイ絡んでくださるおしゃべり友達という感じなんですが、これがTwitterの方になりますと、


・アイス

・映画

・宇部家の夕飯


 この辺りについても反応してくださる方がいてですね。いやはや、本当にありがたい。お陰様で、新作アイスの情報ですとか、私好みのホラー映画情報などが集まってくるわけですよ。旦那以外とこういう話出来る人なんていないから、もうほっくほく。


 というわけで本日は、そのフォロワーさんからお勧めいただいたホラー映画の話をしに馳せ参じました。こんな書き出しでまさかの映画レビュー回です。油断すんじゃねぇぞ皆様。さぁ、ネタバレ厳禁の人はいますぐ撤退だ!


 さて、今回フォロワーさんのお勧めで見ましたのは『ヴィジット』。姉弟が休暇を利用して、一度も会ったことのない祖父母の家に行き、そこで1週間過ごす、という話です。実はこの二人のお母さんは結婚を反対されたことで家出し、駆け落ちしてるんですね。なので、もうずーっと実家に帰ってなかったんですけども、近年になって両親の方から、孫に会いたい、とコンタクトをとってきた、と。そんな経緯で15歳の姉と13歳の弟が電車に揺られて祖父母宅に行くわけです。


 まぁそれだけ聞いたら、何ともハートフルな家族のお話じゃないですか。これがきっかけで関係が修復して――みたいな。でもね、これ、ホラーだから。もうホラーだってわかった上で視聴決めてるからこっちは。むしろホラーじゃなかったら見てないから。


 そんで、姉弟が不在の間、お母さんは何をしているかというと、なんと、新しい彼氏と豪華客船でクルーズです。そう、駆け落ちまでして結婚した彼、つまり姉弟のお父さんとは別れているのです! なんてこった! しかもここ、携帯の電波が届かないのです。ネット回線はあるので、それを繋いでお母さんとはスカイプで通話です。


 さて、わくわくのお泊まりスタートなんですが、やっぱり妙なことが起こります。夜、小腹が空いたお姉ちゃんがクッキーをもらいにキッチンに向かうと、そこにはゲェゲェ吐いてるおばあちゃんが! 普通は「大丈夫、おばあちゃん!?」と駆け寄るところだと思うのですが、その異様な雰囲気に部屋に逃げ帰るお姉ちゃん。


 その後もなんやかんやあって、おじいちゃんより、「おばあちゃんは夕暮れ症候群(ざっくり言うと、夜になると症状が酷くなる認知症)だ。だから、夜9時半以降は部屋から出ないように」と言われるわけです。まぁこれでね? 本当に日中がまともなんだったら、まぁそれは仕方ないな、夜だけだしな、ってなるんですけど。


 いやもう、日中も何かおかしいのよ。

 段々ね、目つきがおかしくなっていくんですよね。にっこり笑ってるんだけど、目がガンガンにキマッてるんですよね。こんなのもう逃げる一択なんですけど、頼みの綱のママはクルーズ中だし、どうにか旅行が終わるまで耐えるしかないわけです。


 もうね、中盤からハラハラの連続でね。当たり前ですけど、俳優さん達、演技が上手いから、どんどん引き込まれていくわけですよ。


 結局のところこの話は、例えば謎の宇宙人が出て来るとか、霊の仕業とか、祟り(呪い)がどうとかって話ではなくて、サイコなシリアルキラーが出て来るわけでもないんですよ。もう単純に、人間が怖い、っていう話です。その人達も別に特殊能力を持っているとかそういうわけでもない。ただただ、普通の人。ただちょっと頭が……っていうか。


 アマプラの無料期間がギリギリで結局2回しか見られなかったんですが、もっとじっくり見たかったですね。


 そんで何が狂ってるって、こんな話を自分の誕生日&結婚記念日に上げる、っていうね。もっとなかったのかよ。

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