令和5年6月
第1563話 子ども達のマイクラ
遅ればせながら宇部家に
いや、厳密には、もっと早くに来てたんですけど、子ども達に解禁したのが割と最近でして。実家の方ではもう去年くらいからWiiをやらせてましたし。令和にWiiかよ、って話ではありますが、何ならミニファミコンもやってますからね。ママがやったこともないレトロゲームにも興じている模様。
それでですよ。
実家にあるのはWiiとミニファミコンなんですけど、宇部家にあるのはPS4なのです。旦那がおっかねぇ鬼ごっこ的なゲームをやったりするために買ったやつです。私はノータッチです。
それをですね、まぁ、子ども達でもやれそうなゲームをちょいちょい増やしていきまして、仲良く交代でやることと、途中必ず休憩することを条件にやらせているわけですが、ここ最近は『マイクラ』にハマっているようです。
マイクラ、わかります? マインクラフトというやつです。私はもちろんやったことはないんですけど、クレーンゲームの景品だったり、しまむらでコラボTシャツがあったりもするので、なんとなーくは知ってます。なんかとにかく色々作れるゲームだという程度の知識ですが。
絶対にハマると思ったんですよね。
子どもって、作るの好きですし。
こちらとしてもですね、トイレットペーパーの芯とか、食品トレーとかを用意しなくても良いですし、絵具だ粘土だで机も汚れませんので、まぁ、ゲームの中でならね、もうどんどん作っていただいて。
それでですよ。
二人は一体どんなものを作っているのかな? ってね、たまーにやってるところを覗いてみたりするわけです。
息子はね、最初、野戦病院か? ってくらいにやたらとベッドを作りまくっていたんですが、それは卒業したらしくて、今度は自分の部屋を作り始めたんですよ。それで、その数日前、ちょっと気になる単語が彼の口から発せられたんですね。
『ジュークボックス』って。
ジュークボックス?! お前、ジュークボックス必要かい? お前のその部屋にジュークボックスが必要なのかい? ていうかそもそもジュークボックスが何かってわかってる!?
わかってました。
彼はちゃんとジュークボックスが何かっていうのをわかってました。
それで、そのジュークボックスから流れてくるのがね、すんごいアーバンな曲なの。もうアーバンとしか言えないのよ。イメージとしてはあれね、良い感じのバーで流れてそうなやつ。ジャズなのかな。ジャズとも違うような気がしますが、何かとにかくお前ん家の照明、全部間接照明なのかよ、どこもかしこもオレンジの灯りだな、みたいなね? そんな感じの空間に流れがちな曲なんですよ。あのやたらと間接照明だらけの家って、パキッと白い照明の部屋はないんですかね。常に淡い光の中で生活してんのかな?
そんでもう出来上がった部屋が、なんていうんですかね、白と黒でシックにまとめてあってね。壁がほぼほぼガラスでね。おいこれヒルズか?! みたいなね? もうタワマン最上階みたいな感じでね? 完全に、『勝ち組の悪い男』が住んでそうな(ド偏見)部屋なんですよ。
お前! 息子お前!
えっ、何?! お前そういうのに憧れてたの?!
まだ『僕』と『俺』があやふやな可愛いボクちゃんだけど、そういう気持ちがあるのね?!
もう意外過ぎて。
だってきっと彼が知ってる『部屋』って、のび太君とか、スポンジボブとかのなんですよ。どこから仕入れたの、このヒルズ!
ざわつきましたよね。パパとママはざわつきました。息子お前、そういうところあるんだな、って。子どもだ子どもだって思ってたけど、そういうアーバンな悪い男の一面もあるんだな、って。
一方娘はというと、公園を作るとか言い出してですね。あら、こちらは年相応で可愛いわね、なんて思って見てたんですよ。
それで、ブランコと滑り台を作ったところで、他にどういうものがあったら良いか、っていうのを我々に聞きに来たんですね。で、旦那は「鉄棒とジャングルジムが欲しい」と言い、私は「ベンチとテーブル、あとはトイレ」って言ったわけです。もうね、公園に対するイメージがそれぞれ違うんですよ。旦那の中では遊ぶところで、私にとっては憩いの場。
娘は、パパとママの理想の公園にするべく頑張りました。パパご所望の鉄棒もジャングルジムもばっちりです。ママご所望のベンチとテーブルなんて、もう一瞬(娘基準)で作ったそうです。
で、トイレ。
何かすんごいの作ってて。
もうね、馬鹿みたいに広い。
えっ、これ何?! ここで住めるんじゃない? ってくらいに広い。あとまぁ当然のようにきれい。言われないとトイレってわからないくらい。
宇部「すごいの作ったね、娘ちゃん」
娘「でしょ? このトイレはね、とっても広いの! 鬼ごっこも出来るんだよ!」
トイレで……鬼ごっこを……?
それはトイレの正しい使い方ではないから、やめな?
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