第1466話 私の力では無理よ

 また映画の話かよ! そう思われた方も多いかと思います。よっぽどここらで『腐女子50音』を挟んでおこうかとも思いましたが、鉄は熱いうちに打てって言いますから。だって、私が忘れちゃうから。


 というわけで、映画三つ目です。

 こちらも2022年の新しい映画です。洋画ですけど。


LAMBラム


 羊の映画です。

 お前こないだ『BLACK SHEEP』見てたじゃん! どんだけ羊好きなんだよ! ジンギスカンだけにしとけ! そう思われたかもしれません。ええ、やはり私も北海道民の血が流れておりますので、羊は見るのも食べるのも大好き。どちらかといえば食べる方が好きです。


 まぁ聞いてください皆さん。聞いてなくても勝手にしゃべり出しますけど。こちらの映画ですね、視聴後、なんとも言えない気持ちにさせてくれることで有名な『ミッドサマー』を作った映画製作会社の新作なんですよ。私てっきり、その『ミッドサマー』の監督が作ったんだと勘違いしてたんですけど、監督は別の方でした。制作会社が同じでした。


 というわけで、新作ですし、たぶん話題作でもあると思うので、こればかりはネタバレなんて我慢ならん! って方はここでお別れです。いや、絶対に見ないから大丈夫、むしろ宇部さんから聞きたい、って方だけついて来てくれよな!


 

 まずですね、何が良いって、舞台がアイスランド。もうこれだけで私にとっては見る価値がある。アイスランド大好きだから。


 そんなわけで、もう見渡す限りの大草原です。もうずーっと景色は同じです。目に優しいですね。そうかな。

 そんな目に優しい環境で暮らす、羊飼いの夫婦。この夫婦にはお子さんはおりません。どうやら亡くなった模様。だからなのか、二人共――、特に奥さんは元気がありません。『ミッドサマー』の方はとにかく世界観だけは抜群に明るくて爽やか(それが逆に怖い)なんですけど、こっちはもう天気からしていつも何かどんより。その上夫婦もそんな感じですから、おお、これぞホラーですわね、って。そんな感じで見てたんですが。


 飼ってる羊のお産ですよ。

 もうフツーに出産シーンなんですよ。ずるり、って出て来ます。見る人によってはこれもホラーだよな、なんて思ってたらですね、とんでもないのが生まれちゃうんですよ。心の準備は大丈夫ですか、皆さん。


 羊人間です。

 羊人間が生まれるのです。


 一気にB級ホラーになったな、と私は思いました。

 いやあらすじでもね? 書かれてはいるんですよ。羊ではない『何か』が産まれる、って。


 だけど、羊頭の人間が出てきたら、それはもうB級ホラーなのよ。そう思いません? ここから何をどうしたって無理よ。私には。私の力では無理よ。


 そんなこんなでその羊人間に『アダ』という名前(亡くなった子の名前)を付け、夫妻は大事に育てます。そこへやって来る、旦那の弟! 


 あのね、私にはちょっと見分けがつかん、この兄弟。

 どっちも背格好が似た感じで、どっちも似たようなヒゲ。もうこのヒゲがあるだけで年齢がかなり高く見えてしまうんですけど、たぶん……40代後半とかなんじゃないかな、って。とにもかくにも、義弟が加わります。彼はバンドマンっぽくて、バンドメンバーと何かあったのかな? 強制的に車から降ろされて置いて行かれます。そんな経緯でやってくるのです。何があったんだよ。


 で、夫妻の羊人間と会うわけですね。

 そらもうびっくりよ。えっ、お前の奥さん大丈夫? って。いや、これは正しい反応だと思いますよ。彼を責められませんて。


 そんでなんやかんやあって、その義弟とアハーンなことをしてしまう奥さん。この辺の経緯も謎です。面識はあるようなのですが、例えば旦那の前にお付き合いしてたとか、そういう説明もありません。とにかくおっ始まります。その後彼は追い出されます。なぜ来たんだ。何しに来たんだ。何のために登場させたんだ彼は。


 そんで、まぁなんやかんやあってですね、夫と羊人間がお出掛けしておりますと、本当の父親と思われる羊人間が現れて、夫を射殺。我が子を取り返します。そこへ奥さんがやって来て、血まみれで倒れている夫を見つけます。羊人間のことも探しますが、もう既におらず、っていう。


 このパパ羊、いまのいままで何してたんだろう。

 いくらアイスランドは広いとはいってもですよ。母羊は移動してませんし(物語の中盤で奥さんに射殺される)、いくらでもチャンスはあったはずなのに。


 何の前触れもなく母羊に子を産ませ、頃合いを見計らって取り返す、という。この地方にはそういう獣人がいて――みたいな導入もないものですから、この辺が本当に謎でした。


 レビューサイトでは考察祭になっているそうです。

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