第1457話 わかってるならむしろ駄目だろ
ちょっとね、早速『腐女子50音』を中断させて別のこと書くんですけど、もうね、とんでもないこと起きたから皆さんにお伝えしておきたくて。
事件が起きたんですよ。
事件というか、とんでもないお客様がご来店されたのです。
まぁ聞いてください。
あっ、ちょっとご飯食べながらはやめた方が良いです。一旦飲み込んで。もうね、そういう系の話だから。もうわかってくれたと思いますけど。それ系のやつを『腐女子50音』を中断させてまで書こうとしてるんですよ、狂ってんな私。
それで、今回の珍客はですね。
ええと、その、『一部丸出しおじいちゃん』でした。
あっ、大丈夫です。
前ではありません。
一発退場の
あのー、後ろの方ですね。
いや、後ろだって一発退場だろうがよ、って話ではあるんですけど、これがまた判定の難しいところだったらしいと言いますか。
あのね、ズボンに大きな穴があいてて。
なんだろ、その、擦れて穴があいちゃったとか、そんな感じじゃなくて、もう故意にあけました、そこから排泄OKです! みたいな感じのズボンだったらしいんですよ。
私は彼とエンカウントせずに休憩に入りましてですね、のんきにカップ春雨にお湯をジャージャーしていたものですから、これはすべて目撃者(その日の出勤者、私以外全員見たと思う)から聞いた話なんですけど、とにかくそういう破廉恥ズボンをお召しになっていた、と。いや、破廉恥ズボンと決めつけるのは早計です。
「それはあれじゃないですか? その、介護用というか、お世話する方が処置しやすいように、みたいなやつなのでは?」
興奮気味に報告してくれた先輩に、私は言いました。
そういうズボンがあるというのは何となく聞いたことがあるような気がしたのです。
だとしても。
だとしても。
それでお出掛けしてはいけない!
しかもせめてパンツを履いていたならぎりぎり何とかなったけれども、履いてないのです!
休憩後、事務所に行きますと、目撃者が集まって丸出しじいさんの丸出し部分についてのディテール大会が開催されておりました。そんなじっくり見なければいいのに、と思ったのですが、皆、見たくてじっくり見たわけではないのです。
えっ、何か変わったズボン履いてる? そこだけ肌色? 肌色っていうか……えっ、肌じゃん! っていう感じで結果、二度見三度見してしまうのです。ポ〇ポムプリンの*とはわけが違うのです。わかっていたらそんなまじまじと見ませんて。ていうかポムポ〇プリンは何で*を普通に晒してんだ。隠せ。サ〇リオの人気キャラとしての矜持はどこへ行った。
それで、まぁ、一応店長が出て行ったらしいんですよ。
その場にいたパートさんは「よし、何とかしてくれ!」みたいな気持ちで送り出したらしく。
で、ややしばらくして店長が戻ってきたわけですが――、
店長「あの人はちゃんとわかってる人だったから大丈夫」
わかってる人って何?!
どうやら、
問題のある恰好をしているとわかっていない=ボケてるので危険、要保護
問題のある恰好をしているわかっている=わかってるなら大丈夫
とのことで。
いや! わかっててやってるなら、それはもう犯罪でしょ! わいせつなブツを陳列してんのよ!
しかも何が恐ろしいって、いまの季節ですよ。
冬よ!?
この寒空の下、露出させて良いのはせいぜい顔を含めた頭部、手くらいなものですよ。それ以外の部位は普通は何かしらで覆って然るべきなのよ。だってシンプルに寒いから! そりゃあ変質者も春まで待ちますって。そんなね、お笑い芸人じゃないんだから、そこまで身体張れないからね?!
なのにその丸出しじいさんと来たら、丈の長いジャンパーを着るでもなく、完全に露出させてるんですよ! 死ぬ気か?! ここは東北ぞ!?
さらにね、どうやら彼は自転車で来てたらしくて。その日、雨だったんですけど。
こんなのもうフルコンボだドン。
冬、雨、自転車、一部丸出し、もちろんノーパン。
一応ぼかして書いてるけど、もうズバリ言っちゃうと、サドルに触れる部位を露出させてるんですよ。凍る凍る。
もう三万歩くらい譲って、ついつい間違えて室内用のズボンを履いちゃったとして、
ついうっかりノーパンのまま出て来ちゃったとしてもですよ。
外に出たら気付かない?
具体的にナニがとは言わないけど、縮み上がるほどの寒さよ?
しかも雨だよ?
まず雨の日に自転車ってのも勇者すぎるし、それでいて出しちゃいけないところ丸出しなんだから。またがった瞬間に「びゃあああ!」とか叫ぶところだからね?!
とにかく、とんでもないお客様がいらして、そんで、お財布を忘れたとかで、もう一回来るそうです。頼むからその時は普通のズボンを履いてくれ。従業員一同の願いです。
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