第1413話 10歳

 本日で我が家のカワイコちゃんその1、息子君が10歳になりました。時が経つのはマジであっという間ですね。「上からでも下からでもいいから産ませろや!」なドラマチック出産が10年前だなんて。


 最近の息子君はですね、まぁ相変わらずです。彼は基本的に4歳くらいからやってることが変わらないです。


 お絵描き、DVD、DVD見ながらお絵描き、折り紙、ぬいぐるみと戯れる。本を読む。なんかプラモ的なやつを作る。


 待って。

 書いてみたらマジで4歳から変わってねぇ。まぁ、案外そういうものなのかもしれませんね。そういえば彼が2〜4歳くらいの頃は実は結構大変でしたね。


 息子君はですね、自閉傾向があるってことで、なんか限りなくグレーな感じなんですね。私もほら、なまじ心理学なんて学んでね、その辺の障害も多少知識があるもんですから、こりゃ大変だぞってね。でも、決定的に『自閉症』とは診断されない。あくまでも『自閉傾向がある』だそうで。なのでグレーなんですね。


 そんでこれはやっぱり人それぞれなので、他のグレーな子はどうかわからないんですが、早めに療育センターに通ってね、市でやってる集団訓練にも参加してね、なんとか集団の中でも落ち着いて遊んだり、話が聞けるようにって。


 最初は訓練中、ひっくり返って嫌がってたんですけど、これが不思議と行かないとは言わなくてですね。雨の日も風の日も、晴れてる日は自転車の後ろに乗せて通ったものです。私も頑張りましたけど、息子はあの小さな身体でめちゃくちゃ頑張ったと思います。その結果がいまの彼ですからね。


 小さい子に優しくなったし、

 ちゃんと座って話を聞けるようになったし、

 自分の考えも言えるようになりました。


 手先の器用さと、創作に対する情熱は変わらず、

 運動は私に似て苦手ですが、案外体力はあってマイペースに臨み、

 幸いなことに人にも恵まれ、いつもにこにこで皆に可愛がられる子になりました。


 今年はまた一段とお兄さんになってくれるのではないだろうかとワクワクしつつ、いよいよ『俺』とか言っちゃうんだろうか(去年は何度も『俺』に挑戦したものの、気づけば『僕』に戻ってた)、もう車を降りてすぐに手を繋いで来たりしないのだろうか(息子はいまだに私と手を繋いで歩いてくれる)などなど、少々寂しく思ったりしています。


 ただまぁいまのところ、彼は、私がぎゅうと抱いて「めんこちゃんめんこちゃん、ママのめんこちゃん」と頭をわしゃわしゃすると、大層喜びます。『めんこちゃん』というのは、北海道〜東北の方言で『めんこい=可愛い』というのがあるので、つまりは『カワイコちゃん』ってことです。


 なお、これはPTA参観日でもついついやってしまい(学校で見る我が子はなぜこうも可愛いのか)、隣のクラスの先生から「撫でられている息子君があまりにも可愛いので写真を撮らせてください」と言われ、承諾する前にパシャリとやられました。学年だよりに参観日の様子として載りました。授業風景もありましたけど、完全に授業関係ねぇやつ。何だ、冷やかし要員か。


 いつかこういうのも嫌がる日が来るんだろうな。いや、来ないとまずいよな。いざ男の子の母親になってみたらマザコンも悪くないとか思い始めちゃったけど、普通にヤバイですね。

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