第1389話 軸がブレている
お鍋の美味しい季節がやってきましたね。
冬はそういうの込みで好きですね。温かい食べ物が美味しい季節。冬が来る度にそんな話をしている気がします。このエッセイも何度冬を経験したのでしょう。もう数えるのが面倒です。各々、心の中でこのエッセイの名シーンを思い浮かべてください。先生は皆さんの自主性に任せます。
さて、先日スーパーにて、こんな鍋つゆを発見しました。
芋煮鍋のつゆ
ご存知でしょうか皆さん。
たぶん、(一部)東北のソウルフード的なやつです。一部と書きましたが、どうやら山形と宮城の模様。
ちなみにこれ以外にも、青森のせんべい汁、秋田のきりたんぽ鍋、岩手のひっつみ鍋、福島の伊達鶏鍋、宮城も何かあったんですけど、忘れました。ごめんな宮城県。とにかく東北の鍋つゆシリーズみたいな感じで並んでいたのです。
その日はもうとにかく家にキャベツがあってですね。一玉98円だったものですから、半玉あるっていうのに買っちゃってね、とにかくキャベツどっさりの鍋にしようって話をしてたんですよ。そんでせっかくだから、何か他県のやつを食べてみようぜってことで、芋煮鍋をセレクト。
これがまぁ美味しい。畜生、山形県民め、美味いもの食ってんじゃねぇか。
ちなみに私、鍋が好きになったのは実家を出てからですね。鍋つゆの素を知ってから好きになりました。お鍋って美味しいんだ! って。
何せ実家の鍋は塩or味噌で、塩の方はタラ鍋だし、味噌は鮭だし、とにかく魚なのです。いまでこそ魚もよく食べるようになりましたが(年かな?)、当時はとにかく魚が嫌い。鶏団子も父親が鶏肉を食べられないためにナシ。お魚のすり身でした。
だからもう嫌いで嫌いで。
大学生になって皆で鍋パーティーをするとなり、初めて鍋つゆを使ったお鍋を食べて感動した感じです。あと、楽しい。
ちなみに、あきたといえばやはり『きりたんぽ鍋』が有名だと思うんですけど、きりたんぽって、要はお米なんですよね。ちくわみたいな形のお米(『だまこ』という丸めたやつもあります)。
宇部「あのさ、秋田の人って、きりたんぽでご飯食べるの?」
旦那「え? 食べるよ」
宇部「嘘でしょ。お好み焼きでご飯食べる大阪の人だってびっくりだよ。『言うても俺らは小麦粉とご飯だから』って言われるよ」
旦那「いや、お好み焼きとご飯はないでしょ。でもきりたんぽはおかず」
マジかよ。
どういうことなの。
鍋なのに米も食えるっていう完全食だと思っていたのに、米は米で食うのかよ。どんだけ米が好きなんだ秋田県民!
それでですよ。その『きりたんぽ鍋=秋田のご当地鍋』的な話題から再び『芋煮会』に話は戻りまして、何となく、東北全域でやってるイメージだったんですが、どうやら秋田はその『芋煮会』なるイベントはないらしく。ただ、その代わりに『鍋っこ遠足』というのがあるようで、まぁ名前の通りなんですけど、お外で何かお料理する遠足らしいです。
宇部「やっぱりみんなきりたんぽ鍋作るの?」
旦那「いや? 何でも良いんだよ。何なら鍋じゃなくても良い」
宇部「鍋じゃなくても良い!? 鍋っこ遠足である意味とは!?」
旦那「何でも良いんだよ。俺達の班なんて焼きそば作ったから」
宇部「鍋ですらねぇ! 汁気ゼロ!」
もう鍋っこ遠足として軸がブレまくっているのよ。せめてカレーとかかな? なんて思ってた私が浅はかでしたね。その上をいってました。
というわけで、秋田を舞台にした小説を書く皆さん、鍋っこ遠足のシーンでは焼きそばでもOKのようです。リアリティを出したいならぜひ。あと、修学旅行の描写では必ずテレビCMで『現在○○中学校は○○を観光中です』って流すんだぜ!
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