第1352話 即行動の姑
今日はですね、また宇部家の話をしようと思ったんですけど(特にネタはないけど)、毎回毎回旦那か子ども達の話になってしまうので、今日は我が最愛の夫の母、お義母さんのお話をしようと思います。
結婚って、当人だけでするものじゃないよなぁ、って思うようになったのは25くらいの時でしょうか。旦那とお付き合いして、まだプロポーズもされてはいないものの、でもまぁ、するんだろうなくらいのね、そんな時期ですよ。ちなみに、皆さんもご存知の通り、この数年後私から仕掛けて強制プロボーズの運びとなります。
それでですよ。
その当時も秋田県に住んではいたんですけど、我々は秋田市におりまして。旦那の実家は別の市にあるものですから、そう頻繁には会えなかったんですけども、一応『彼女』ってことでね、ちょいちょい顔を見せたりしてですね、
このお義母さんは当たりだ。
そう思ったわけです。
もちろんね、結婚した途端に豹変するかもしれませんけど、それはわかりませんけども。それでもね、何か本当に明るくてね、ちゃきちゃきしててね、良いお母さんだな、って。
それで、まぁ結婚してですよ。
しばらくは青森だの盛岡だの仙台だのって離れておりましたけども、こうしてスープの冷めない距離に越してきてですよ。
まぁ可愛い。
いつも元気でね、面白いんですよ。行動力とバイタリティがすごくてね。
そんなお姑さん、いよいよスマホにしたんですよ。お舅さんも一緒に。二人共まだまだガラケーで頑張るつもりだったらしいんですけど、充電のケーブルがね、一つしかなくてですね。よくわからないんですけど、そういうので安かった(?)らしく。二人で一つのケーブルで充電してたんですよ。いよいよ不便だってことで。
私もね、一応探したんですよ。得意のAmaz〇nさんでね、中古とかでも良いからどうにかならんかな、って。まぁー見つからない。災害時に使うような電池式のモバイルバッテリーとかであったりしないかな? むしろそういうので生き残ってないかな? とか、色々探してみたんですけど、まぁー見つからない。
じゃ、もうスマホだ、ってことで。
ある夜のことです。
もう子ども達は寝室に送り届けた後ですから、確実に20時を過ぎているんですよ。
旦那に電話です。お義母さんからです。
親から夜に電話かかって来たらめちゃくちゃびっくりしません? 何かもう事故とか病気とか、とにかく何かしらの緊急事態的なのを想像しません?
ちょうどその時、親戚の方が検査入院してたものですから、「もしかして○○さんに何か悪いものでも見つかったか!?」ってこちらもざわざわですよ。
旦那の顔も心なしか引き攣っています。
旦那「もしもし? どうした……? え? あ、うん。……はぁ?」
何やら強めの「はぁ?」が出ました。
もう確信に変わります。どうしよう、○○さんに何かあったんだ、まだ若いのに……!
が。
旦那「だからさ、えっと、何か上の方とかに×印ない?」
上の方に×印?
レントゲンとかの話?
ここがヤバい場所です的な?
旦那「とにかく押してみ? 消えるから。消えるから」
消えるから?
何が!?
旦那「うん、まずやってみれ。な?」
通話を終え、何やら疲れた様子の旦那に、一体どんな要件だったのかを尋ねます。すると。
旦那「何か、スマホの画面が変になったって」
宇部「は?」
旦那「何か、急に広告が出て来て消せなくなったって」
宇部「そんな! エロサイトをうっかり踏んじゃった中学生みたいなことに!?」
旦那「そう」
なんてことを話しておりますと、再び旦那のスマホが鳴ります。もちろんお義母さんです。
旦那「どうだった? 消えた? え? あ? マジで?! うん、まぁわかった」
宇部「ど、どうなった……? 消えた……?」
旦那「いや、消えなかったって。ていうか、わかんないからいまから来るって」
宇部「いまから?!」
20時過ぎですぞ!?
いや、ウチは良いんだけど、お義父さん的には大丈夫なの!? お義父さんってお義母さんが夜に出歩くのあんまりいい顔しないでしょ!?
来ました。
普通に来ました。
応対した旦那曰く、LINEの『VOOM』というところを押してしまっていたらしいです。私もこんなところ押したことなかったので、どれどんなもんだと押してみたらびっくりよ。いっきなり動画始まっちゃって。宇部さんもアッワアワよ。こりゃあお義母さんもビビりますわ。
ただね、もうほんとびっくりしたんでしょうね。
電源オフれば良かったのに、車かっ飛ばして画面消してもらいに来るお義母さんがもう可愛かったな、って。息子なんだから「ちょっと来て!」って言えたはずなのに、「いまから行くから!」って言うところが最高だな、って。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます