第1334話 息子の天使ぶり
さて、短期間に大仕事(中編一本書いた)をし、何だか軽く抜け殻症候群気味の宇部です。イカン、あともう少し頑張ってくれ!
そんで、あまりにもそっちに集中しすぎたためにですね、何がピンチってこのエッセイのストックですよ。
というわけで、困った時は家族からネタをもらうことでお馴染みとなっておりますから、いつもの如く愉快な宇部家の心温まる(?)エピソードをぶっ込んでみたいと思います。
それは毎月1~2回ある小学校の読み聞かせボランティアでのこと。
その読み聞かせはですね、先生方が職員会議で教室をあける時間帯に行われておりまして、時間としては 8:10~8:25 の15分間となっております。まずは玄関入ってすぐの『○○広場』みたいなところでボランティアの名札を付け、出席簿みたいなやつに、今日担当するクラスと読む予定の本やら何やらを記入。読み終えた後はその同じ紙に子ども達の反応とか、おすすめ度などを書きます。これは、毎回同じクラスを同じ人が担当するわけではないので、前に読んだ本を違う人がうっかり読んでしまわないように、みたいな意図があったりします。そりゃあ、同じ本でも読む人が違えば印象って違ったりもしますけど、それでもやっぱり同じ話よりは違うやつが聞きたいじゃないですか。
それで、次回の日程を確認して、あとはもう好きに帰るんですけど、たまにですね、そのあれこれをしている時に教室移動する息子と遭遇することがあるんですね。その『○○広場』がちょうど通り道で。
もうね、息子の嬉しそうな顔ね。
何でしょうね、学校に親がいるって、なんかちょっと嬉しいんでしょうね。私はめちゃくちゃ嫌でしたけどね。ウチの母親、耳が悪いために声がめちゃくちゃデカくてですね、別に声がデカいのは仕方ないから良いんですけど、めちゃくちゃしゃべるんですよ。うるさいし、目立つ。やめて。私はそんな目立ちたい人間じゃないの。
だからってわけでもないんですけど、子ども達の学校に行く時はなるべく大人しくしているんですが、子ども達の方ではね? 親がいる、っていう非日常感とでも言いましょうか、そういうのにちょっとウキウキしちゃうみたいで。
その日の息子の連絡帳にですね。
『息子君、お母さんに偶然会えたことが嬉しかったようで、「さっきお母さんに会ったんだよ!」ってにこにこしていました。』
って書かれてて!
そんなことある?!
お前その数十分前に家で会ってるからな? そんなレアポケモンみたいなやつじゃねぇから、お母さんは! え? 会ってたよね? 普通に向かいでご飯食べたし、行ってらっしゃいってお見送りまでしましたが?!
だいたいあれよ? 学校に親がいるのって普通は参観日とかそういうのだから、己の恥ずかしいところを見られたりして、もう何も見ないで今直ぐ帰れや、って天に祈ってましたが?! 学芸会とか、マラソン大会とか、運動会もそうだし、基本的に私が大活躍するようなイベントなんてなかったから、もうマジで来なくて良いって思ってましたよ!
何なの息子。
お前やっぱり天界から舞い降りて来た天使なんじゃないの? あんまり可愛いこと言うと天界から「やっぱり返して」とかってお迎えが来ちゃうんじゃないかって、ママ心配よ。
さて、そんな大天使ムスコエルはですね、先日マラソン大会だったんですけど、もう案の定ビリでね。もうそこは全然想定内なので構わないんですけど。それよりもこちらとしましては、無事に走り切れるか、その一点が心配だったんですよ。何せ彼はスーパーインドアマンですから。
それでもなんとか歩かずに走り切る(ただしスロージョギングペース)ことが出来まして、毎年恒例となっている、保護者ゾーンを走り抜ける際のまばゆい笑顔もちょうだいして(謎のスタミナ)、それはそれはもう感動したんですけど、その日、見に来れなかった旦那のために録った動画がね。
宇部「あっ、息子君来た! お義母さん来ました!(お姑さんと一緒に見てた) あっ、可愛い! にこにこしてる! 今年もにこにこしてる! かわ、可愛いぃぃ!!」
大興奮のおばさんボイスがしっかり入ってんのよな……。もう台無しよ。意外とお口にチャック出来てなかった、っていうね。やはり私もあの母の娘だったんだな、って……。ちょっとショック受けましたね。
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