第1296話 娘の話

 さぁいよいよ1300話へのカウントダウンが始まってしまいました。やべぇやべぇ。時の流れについていけねぇ。


 しかもまーたネタがなくなって来ましてですね。不思議ですよね、ほんと。おかしいなぁ、三日前まではちゃんとあったはずなのに。どこ行っちゃったんでしょう。鞄の中も机の中も探したけれど見つからないのよ。


 なんてことを言っていても始まりませんし、そろそろこの字数稼ぎも苦しくなってきましたので、とりあえず何か書こうと思います。


 困った時に頼りになるのはやはり家族。


 というわけで、こないだ書いた『第1292話 ひゃくおくまんセント』の続きのお話から。いや、あれ続きあんのかよ、って思われたかもしれませんが、実はあったのです。


 一億年と二千年前からどうたらこうたらすることでお馴染みの『創聖のアクエリオン』を我々夫婦の歌として朗々と歌い上げた娘ちゃんはですね、お風呂から上がった後で、こんなことを言いだしました。


娘「わたしちょっとパパがママのことどれくらい好きなのかまとめてみる」


 まとめてみる?

 正直、何をどうまとめるのか、という疑問はありましたが、私は私で夕飯の仕上げがありますので「おう、頑張れ。やってみな」と返しました。


 すると。


 出来た! という声と共に娘が持って来たのは折り紙でした。

 折り紙に自分で罫線を引いて、そこに何やら長々と書いています。


 彼女はまだ平仮名しか書けない上、書き方が原稿用紙のそれというか、わかりますかね、よきところで改行しない感じ。とにかくめちゃくちゃ読みにくかったのでそれをそのまま載せてみます。


(表)

 ちきゅうのなかでい

 ちばんあいしてる。

 のうみそ1000

 00せんとあいして

 る。ままのことがとにか


(裏)

 くあいしてる。

 ぱぱはだれより

 も せかいよりもち

 きゅうよりもだいすき

 あいしてる。


 伝わりました? この読みにくさ。

 最高に読みにくいですけど、もう愛が溢れまくってることだけはひしひしと伝わってきます。とりあえず、お風呂では『百億万セント』だったのが『十万セント』になっているのが少々気になります。この短期間に下落してやがる。


 さて、そんなやたらと『愛』に溢れまくっている我が娘の話をもう一つ。



 まだまだお手伝いが楽しいお年頃の子ども達です。私なんかは物心ついた時から既に『お手伝い=面倒くさい』だったような気がするんですけど、子どもって普通そういうものなんですかね。お手伝いといっても、お風呂のお湯を入れる(栓をして湯張りボタンを押す)とか、食卓にマット(子ども達のみランチョンマットを敷いている)を敷いてもらうとか、あとは食器やらなにやらを運んでもらうとか、それくらいのやつではあるんですけど、『ママ(パパ)食堂のスタッフさん』『パパ銭湯のスタッフさん』などというとノリノリでやってくれます。そのうち『パティスリーおかん』とかそんな感じのやつも登場させたいところ。


 で、娘です。

 その日は『パパ食堂』でした。パパ食堂とパパ銭湯の日でした。つまりは私がちょっと体調不良の日ですね。一人でもアレコレ出来る旦那ですが、やはり猫の手……いや我が子の手も借りたかったようです。


旦那「えーっと、パパ銭湯のスタッフさんいますかー?」

娘「います! わたしです!」

旦那「今日はパパ食堂の方でも募集してるんですけど。カレーの調理スタッフなんですが……」

娘「それもわたしです!」


 娘はやはりお料理を特にしたがりますね。良いことです。いいか、男は胃袋をつかめ。丸美屋様の麻婆豆腐でパパを射止めたママが言うんだから間違いない。


旦那「それじゃまずは、お風呂のお湯をお願いします。終わったらきれいに手を洗って戻ってきてください」

娘「わかりましたぁ!」


 いいお返事。100点です。


 ここまでは良かった。


 彼女はそれ急げと(狭い)家の中を走ります。


娘「スゥゥゥパァァァおばあちゃーん!」


 謎の掛け声と共に。

 

 イメージとしてはアレです。ヒーローが走りながら変身するやつ。既に前半で変身バンクを見せちゃってたり、あるいは後半にメインの戦闘シーンがある場合なんかに使われる演出ですね。


 えっ、お前何。おばあちゃんに変身するの!? 確かにウチのおばあちゃん(お姑さん)はパワフルだし、アクティブだし、お料理も上手なスーパーおばあちゃんだけど!?


 これにはカレーを作っていた旦那も吹き出しましたよ。

 

 後で確認したところ、どうやら『スーパーおばあちゃん』ではなく、『コンピューターおばあちゃん』の間違いだったみたいです。


 いや、だとしてもさ。

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