第1217話 テリヤキ
先日ね、照り焼きを作ったんですよ。鶏もも肉のね。子ども達が食べやすいようにから揚げサイズっていうのかしら、まぁ一口でもイケなくはないかな、くらいの大きさに切って。娘がね、うるさいんですよ、お肉が大きいと食べづらいって。そんなもん頑張って噛み千切れや、って思ったりもするんですが、それでも美味しく食べてもらいたいので、焼いてから切ると私が火傷するから、予めカットしたりしてね。
もう、超良いママじゃん。
こんなことでも私は簡単に自分を褒めます。褒められて伸びるタイプなので、軽率に褒めます。褒めることで次も頑張ろうって気持ちになるのです。
それでですよ。
一口大の照り焼きって、それはもしや解した焼き鳥(タレ)なのでは、など一瞬考えたりもしたのですが、そういやこんな動画を思い出して。
帰国子女の男性(両親は日本人だったと思う)と、英語ぺらぺらの日本在住男性(その他にもフランス語なんかも話せるらしい。すごい)と、普通の日本人(って紹介されてるけど、IQ140って書いてた。絶対普通じゃない)の3人(友達らしい)で活動している方々の動画なんですけど。
寸劇風のやつでですね、
アメリカ人の男性が日本にいる友人を訪ねてやって来た、というシチュエーションなんですけども、彼を出迎えた日本人男性は言うわけです。
「やぁよく来たね、何が食べたい?」
こんな感じのことを。
するとアメリカ人男性は言うわけです。
「テリヤキが食べたい」
まぁ実際の会話はこんな感じじゃないんですけど、まぁとにかく日本は美味しいものがたくさんあるから楽しみにしていて、それで、色々食べたいけど、本場のテリヤキが食べたいんだ、くらいのことは言っていた気がします。
困りました。
日本人、困りました。
これ、日本人なら絶対困るやつだと思うんですよ。
まだね、お寿司とかね、すき焼きならね? あるじゃないですか、専門店が。専門店、とまで行かなくても、回転寿司とか、しゃぶしゃぶすき焼き食べ放題のチェーン店とかね。
照り焼きのお店ってなくない?
いや、皆さんね、頭の中に浮かんでる照り焼き料理はあると思うんですよ。恐らく、日本人の90%くらいがパッと脳裏に浮かんだ照り焼き料理って、あれじゃないです?
マックの照り焼きバーガー。
私だってね、照り焼きって言われたらまず浮かぶの照り焼きバーガーですもん。
だからね、動画の中の日本人も言いました。
散々困った後で言いました。
「マック行こう!」
って。
よく考えたら照り焼きってそうだよな、って。何か『スキヤキ』的なノリで『テリヤキ』って、向こうでも有名らしいんですよ。それは私も何となく知ってるんですよ。でも、どうしてこれそこまで有名になったのかな、って。日本人でも「今日照り焼き食べに行かない?」とはなりませんって。定食屋さんとか行って『ぶり照り定食』とか『照り焼きチキン定食』を頼むとか、そういうやつじゃないですか。数ある料理の中で選ぶ感じというか、お寿司とかすき焼きみたいなジャンル的なやつじゃないんですよ。あくまでも調理法っていうか。
まぁ、だから何だ、って話ではあるんですけど。
とりあえずいつか子ども達が外国人の友達が出来るなどして「本場のテリヤキが食べたい」って言ってきたら、「『ウチのママンが作ってくれるよ』って言いな」って伝えておこうと思います。日本人の私が作るんだから、確実に本場の味だから。
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