第1202話 味を占めてる

 さて、平日のうち二日は私の仕事がお休みのため、学童保育が利用出来ない子ども達です。


 こうなりますと、彼らの選択肢は二つ。


1、おばあちゃんの家に行く

2、ママの待つ家に帰る


 こうです。

 これまでは娘が保育園でしたので、お姑さんが娘をお迎えに行きつつ、その足で息子を拾って、息子のみをウチに連れてくるか、もしくはそのままばあちゃん家に行くか、という感じでした。二人共、おばあちゃんが大好きです。優しいし、それにおもちゃも置いてるし。


 で、今年になってですね、家にあった任天堂Wiiをばあちゃん家に持って行ったんですね。そろそろマリオとかそれくらいなら良いかな、って。スイッチじゃないです、Wiiです。ソフトはマリオと、マリオカートと、Wiiパーティーと、それからリズム天国。


 そしたらですね、息子がハマりましたね。あっという間に私よりもうまくなりました。マリオカートなんてもう全然勝てない。彼の偉いところは先にしっかり宿題を済ませてからやる、という約束をきっちり守るところですね。パパやママが見ていないからといってサボりません。彼の性格上、逆に余程のことがないとサボれないのです(ルーティンを崩す方が苦手なタイプ)。そしてなぜか、妹に許可をとるそうです。別に娘のものではないのに。


息子「妹ちゃん、僕ゲームしていい?」

娘「うーん、まだダメ」

息子「わかった(しょんぼり」


 というのをお姑さんは何度も目撃しているそうです。別に見たいテレビがあるとかではないみたいなので、ただ単に意地悪をしているのではないか、とのこと。叱っておきました。特に理由がないのなら、やらせてあげなさい。ていうか、なぜ決定権がお前にあるんだ!


 それでですよ。

 そういう理由で二人共ばあちゃん家に行きたがるのですが、娘がですね、気まぐれに「今日はお家に帰る!」と言い出した日にちょっと張り切って(第1197話 秘めたい)お菓子を作ったらですね、もうすっかり味を占めたんですね。バレンタインとか、何かしらのイベントにも作ったりはするんですけど、そういうのとは違って、全然普通の日なのにお菓子を作れる、っていうのが良かったみたいで。


 もうね、「ママ、明日は何か作るの?」ってね、前日に聞いて来るんですよ。もうこの時点でね、明日も真っ直ぐ帰ってくることが決まってるんですよ。


宇部「う、うーんとね。ちょっと考え中……ウフフ……」


 頭の中はもうパニックですよ。

 えーと、こないだはマフィンでしょ、その前も何かカップケーキだったからな。毎回ホットケーキミックス使うのも何かワンパターンだし、「ママってこういうのしか作れないの?」みたいなのはママとしてのプライドが……! あと、普通のバターならまだしも無塩バターとかそういうのは買いたくないので、なるべく家にあるもので作れるやつ!


 というわけで、次はぶどうのゼリーにしました。ちょうどね、何か良い感じのぶどうジュース(100%)があったんですよ。道の駅で旦那が買ってきたんだったかな? だけど宇部家では基本的にジュースを飲まないものですから、開けることないまま1年近く冷蔵庫に入れっぱなしで。いよいよ賞味期限が近付いて来てですね、お菓子に使うなんてもったいない気がするけど、捨てるよりはマシ! ってことで。


 そんなこんなでですね、私のお休みがですね、なんかもう忙しくなっちゃって。特にいま歯医者さんにも通ってるものですから、午前中は家事やってエクササイズして歯医者行って、お昼ご飯を食べたら娘ちゃんとのクッキングの準備して、ちょこっとPCいじったらもう帰ってくる時間なんですよ。ふええ。


 だけども、お料理が好きな子になってくれるんじゃないか。ゆくゆくは私の代わりにご飯を作ってくれるようになるんじゃないかとプラスに考えて頑張ります。たぶん、ウチの親が一番びっくりしてると思います。松清がお菓子作ってる!? って。料理が出来る、っていうのにも散々驚かれましたからね。あいつら、自分の娘を何だと思ってやがる。

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