第1103話 それはそれでビビる

 ちょっとびっくりした、っていう話なんですけども。


 数日前からですね、下瞼にポチっとしたものが出来てて。下瞼っていってもですね、これ下瞼っていうのかな、あの、眼球に接する部分なんですよ。あの、めっちゃ粘膜の部分。パッキンみたいな。パッキンみたいな、って何だ。まぁとにかくそこです。


 最初、やけに目がごろごろするな、まつ毛が入った痛み(ちくちく系)ではないしな、埃かな? って思ったんですけど、鏡を見ても何も入ってないんですよ。だけど、よくよく見てみたら、そのパッキン部分(もうパッキン部分って呼ぶことにする。伝わってくれ)に、小さいニキビみたいなのあって。ニキビってほど炎症もしてないんですけどね、ポチって盛り上がってんな、みたいな。


 でも、炎症もしてないし、膿んでるわけでもなくて、本当に粘膜がわずかにポチってなってるだけ、みたいな。とりあえず、まぁいっか、って放置してたんですよ。いつもいつもごろごろしてるわけでもなかったんで。


 そしたらですね、そのポチがですよ。ここでは便宜上『ポチ』にしますけど、そのポチがですよ、先っちょが尖ってきたんですよ。尖るって言っても、『⌒』だったのが『Ω』になったみたいな感じなんですけど(ちょうど良い記号があって良かった)。そんで、それまでの『ただ粘膜が盛り上がっている状態』ではなく、透明な栓みたいな感じになってるんですね。


 で、恐らくもう粘膜ではないので、ちょっと乾いたのか、カリカリした感触になっているわけです。こうなると、めっちゃ眼球を攻撃してくるんですよ。逆さまつ毛のもうちょっと芯がある感じっていいますか。もう絶対これ放置してたら眼球傷つくじゃないですか。それに気付いたのがもう夜21時くらいだったので、どう考えても病院は閉まってるんですよ。かといって、当然救急のレベルでもありませんし。


 なので、仕方ない、明日の朝イチで眼科行くかー、なんて思いつつ、とりあえず、これは何なんだろう、って検索してみたらですね。


 病名は何か難しかったので忘れましたけど、何かとにかくそのパッキン部分にある腺から分泌される油分が固まったもの、みたいなことが書かれてたんですよ。おいおい、私は顔だけじゃなくて瞼も脂でギトギトなのかよ、って。


 まぁ、よくあるやつらしく、おっかない病気もなさそうで、ほっといても治るらしく、一瞬「だったら眼科行かなくても良いかな」って思ったんですが、治るまでに眼球が傷ついたら嫌なので、とりあえず明日行くか、って。だけど、いま何か症状を和らげることは出来ないだろうかって思ってですね、そのお医者さんのページを見ておりましたら、どうやら治療で、目の周りを温める、というのをやるそうで。所詮は油分なのでね、つまりを緩和するとかそんな目的だったと思います。


 成る程、最近眼も疲れているし、温めるくらいはしておくか。


 で、ウチにあった『めぐりズム(使い捨てのホットアイマスク、そのお医者さんのページにもたぶんこれが載ってた)』をつけてしばらくじっとしてですね。案の定ウトウトしちゃったのを旦那に起こされて、そんで、そろそろ寝るかーって洗面所に行ってですよ。一応もっかい見とくか、ってそのポチの具合を確認したらですね、やっぱりまだあって。そりゃそうか、一回温めたくらいでなくなったりしないよな、なんて思いながら、指先でつんつんって突いたら――、


 ポロ、って取れて。


 TO RE TA !?


 えっ、いきなり取れたけど?! ちょっと触っただけだよ!? 擦ったりしてないんですけど!? ってめちゃくちゃ焦って。いや、取れてくれて万々歳なんですけど、えっそんなに簡単に取れる? 何なら実はついてたのご飯粒とかだったんじゃない?! ってくらい簡単に取れたんですよ。そんなとこにご飯粒がついてるのも問題ですけど。


 そんで、取れたところもですよ。

 最初からそんなものありませんでしたけど? みたいな顔してるんですよ。取れた分凹んでるとかそういうのも一切ないんですよ。何か私だけ幻でも見てたのかな、って。これはガチでご飯粒だった可能性も出てきましたよ。


 取れてくれとは思ってたけど、いきなり取れるとビビる、っていう。そういう話でした。

 

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