第978話 マカロニで良いのか

 いつだったか、旦那とテレビを見ていた時のことです。何か面白いのやってないかなってチャンネルを適当に変えていたら、BSで西部劇をやってて。


 何か最近よくやってるんですよ、西部劇。何とかのガンマンとかそういうやつ。


 前にもここで少しお話しましたが、旦那は西部劇もちらっと嗜んではいるようで、何もわからない私に副音声的な感じでちょいちょい解説を入れたりしてくれます。 


 それでですよ。BSのCMって結構独特というか、青汁とか関節痛用の薬とか、あと男性の自信を取り戻す系のサプリとか、懐メロCD詰め合わせみたいなやつのCMが流れるじゃないですか。そんな感じで、マカロニ・ウエスタンをたくさん集めたDVDセットみたいなののCMも流れたわけですよ。


 もうさんざん西部劇を見ているところに、さらに西部劇を勧めてくる。何かこう……常に顔がテラテラした、ガンマンがこっち見てる……。見んな……。


 それでふと思ったんですけど。


 マカロニ・ウエスタンの『マカロニ』って何ぞ、って。

 まさかあのマカロニではあるまい? マカロニグラタンとか、マカロニサラダのマカロニではあるまい? って。


 とりあえず何でもまずは旦那に聞くことでお馴染みの私ですから、今回も旦那に聞いたわけです。


宇部「マカロニ・ウエスタンのさ、『マカロニ』部分って何? まさかあの食べる『マカロニ』じゃないよね?」


 って。

 するとですね、さすがは我が最愛の夫、ここでもその博識ぶりを発揮してくれたわけです。


旦那「ところがどっこい、そのマカロニなんだよね」

宇部「嘘だ! 何で!? そんなにマカロニ食べるシーンあった!?」


 そりゃそんな反応にもなりますって。そうでしょう?


旦那「これは俺もうろ覚えだから自信がないんだけど」


 そんな前置きをしてから説明してくれたところによりますと、


 どうやら元々は『スパゲッティ・ウエスタン』と呼ばれていたらしいんですね。というのも、何か、そっちの方で作られた映画だから? だそうで。


 だけれども、日本に入ってくる時に、映画界のお偉いさんが「スパゲッティじゃ細くて弱そうだ。そうだ! マカロニの方が良いんじゃないか!?」みたいな話になったんだとか。


 ……ほんとかよ。何その話。


 正直なところそう思いましたとも。だけど、私が「ウッソだろ、騙されねぇぞ!」と笑い飛ばしたけど案外嘘じゃなかった話として、「ハイジャック命名秘話(「ハーイ、ジャック」から来てる)」がありますので、とりあえず信じることにしました。


 ところが、後から調べてみてびっくり。今回もあながち間違いじゃなかった! というか、Wikipediaさんでもそんな感じのことが書かれてる! 旦那すげぇ! どこから得たんだよその知識! さすが私の専属物知り博士! 素敵!


 でもね。

 だとしてもね、疑問は残るわけです。


 確かにスパゲッティは細くて弱そうです。マカロニの方が強そうではあります。ていうか私が思い浮かべてるマカロニって、あのちくわみたいな感じのマカロニなんですけど。


 いや、穴あいてんじゃん?

 そんで、茹でたらふにゃっふにゃになるじゃん?

 スパゲッティはさ、アルデンテなら芯があるじゃん? 

 この場合、どっちが強いかって話じゃない?

 私はどっちかっていうと、中にしっかり芯がアルデンテ、っていうスパゲッティの方が強い気がするんですけど!?(さらっと親父ギャグを紛れ込ませる高等テクニック)


 と、熱弁を振るったわけですけど。


旦那「いや、俺が決めたわけじゃないからね?」


 確かにその通りだったわ。すまんな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る