好きなことを、好きなだけ

第909話 それぞれの役割

　やたらいろんなチーズを揃えている宇部家です。

　って書くと何かオシャレじゃないです？

　カマンベール、モツァレラ、ゴーダ、チェダー。あとは何だ、カチョカバロか。カチョカバロか、ってさらっと出しましたけど、名前を覚えてるだけです。何か変な名前だから覚えました。

　あと何でしたっけ。青カビのもありますよね。

　まぁとにかくですよ。

　へぇー宇部さんってチーズにはちょっとうるさいのね。何か都会の女って感じで素敵！　タワーマンションの40階とかに住んでてバスローブ姿でワインとか飲んでそう！　って思われたかもしれないんですけど、違います。

　実際は北海道の寂れた浜町で生まれ育ち、秋田県の某市在住で、地に足べったりつけたお家の安物の椅子（キャスターがぶっ壊れて付け直した）に腰掛け、パックの豆乳をストローでチューチュー啜っているような私です。

　そんな私の言う「色んなチーズ」ったらもうあれですよ。

・ピザ用チーズ

・切れてるチーズ

・スライスチーズ

・６Pチーズ

・裂けるチーズ

・粉チーズ

　これね。

　宇部家には常にこれらのチーズがスタンバイされています。これがね、ぜーんぶ雪印なら良いんですけどね。たぶん実家なら全部雪印ですよ。けれど残念ながらいまの私にはPVブランド（つまりトップバリュかCGC）のが精一杯。たまにクーポンとかで安くなる時は雪印買いますけど。

　この他にも、準レギュラーとして、

・スティックチーズ（魚肉ソーセージみたいな形のやつ）

・キャンディチーズ（飴ちゃんみたいなやつ）

・ベビーチーズ（６Pチーズの四角verみたいなやつ）

　がいる時もあります。

　って話をですね、休憩中に職場の先輩としてましてね。

「何でそんなに色んな種類あるの！？」

　ってなるわけですよね。そりゃそうですよ。結局どれも味はほぼほぼ同じやつと言いますか、プロセスチーズなんですもん。とはいえ、ピザ用のやつは何かモツァレラがどうとか書いてましたし、切れてるチーズもカマンベールがどうとか書いてましたけど、でも当然そこまで本格的なやつではないわけで。

　強いて言えば粉チーズくらいですかね、明確に違うのは。あいつはパルメザンチーズだから。

　いや、やはり役割があるわけですよ。

　そりゃそうよね、粉チーズはスパゲッティ用ですもんね、って？　いいえ、違います。宇部家ではスパゲッティに粉チーズをかけません。お店ではかけますが、家ではかけません。子ども達が面白がってかけまくり、あっという間になくなる未来が見えるからです！

　粉チーズはですね、サラダにかけたり、ドレッシングに入れたり、お肉にパン粉をまぶして揚げ焼きする時に混ぜたりするのです。それ用です。最近、ポテトサラダに入れても美味しいことがわかりまして、ざんざか振りかけて混ぜ混ぜしています。子ども達に好評です。

　もうチーズが好きすぎてですね、ありとあらゆる料理に使いたいわけです。

　かけて焼くならそりゃあピザ用が良いですし、卵焼き（オムレツではない）に入れるなら、切れてるチーズを芯にして巻き巻きしたいですし、ハムと巻くならスライスチーズですし、ちくわの磯辺揚げの中に入れるなら裂けるチーズ（普通のチーちくなら切れてるチーズ）ですし、そのまま食べるなら６Pチーズなんですよ。

　という感じに熱弁を振るいましてね。

　この先輩はかつて私がチェーンソーを持って倉庫を歩いていたら「ジェイソンみたいだね」と声をかけてきたことで、そこから私の『13日の金曜日』トークに付き合わされた被害者でもあるため、今回はチーズのことでも被害を受けた形になりました。

　おそらく彼女の中で私は、語らせるとうるせぇやつ、という認識になっていると思います。