第872話 脈絡ゼロで思い出した話
何かよくわからないけど、いきなり昔のエピソードを思い出したりする私です。しかもほんとに、何の脈絡もなく。
何かを見て「あっ、そういえば」とかじゃないんですよ。ほんとにゼロの状態から浮かんでくる。何なんでしょう。
まぁ本人がわからないわけですから、もうどうしようもないんですけども。
と、ここまで書いたらば、そのいきなり思い出したやつを書けや、って話になるわけですよ。もういよいよね、脈絡もなくいきなり思い出した誰得なエピソードをギュンギュンに引き伸ばして1話分に仕立て上げようとしてますからね、これはもう軽犯罪の域。
それはまだ私が独身だった頃のことです。確かニコニコ動画が全盛期だったと思うんですね。私は作業用BGM動画を垂れ流しながら何かしらの作業をしていました。
たぶんガンプラを作っていたはずです。なのでたぶん、フレッシュピーチな23くらいの頃と思われます。まだ旦那とはただの先輩後輩の間柄で、たまに二人で遊びに行くくらいの関係でした。
23くらいならこんな感じの恋人未満な相手がいるのってめちゃくちゃ楽しい時期だと思うんですけど、もしいまの私が独身だったとしたらこんなのもう面倒で面倒で仕方ないですよ。何回目のデートで告白するだのなんだの、もうそういうのが面倒でね。へへっ。
そんでですね、確か(後の)旦那と電話してたんですよ。何の用だったか、どちらからかけたとかは全く思い出せないんですが、とにかく電話してたんですよ。そしたらですね、その作業用BGM、アニソンのインスト(歌なしver)だったんですが、「絶対知ってるんだけど曲名が出てこない!」っていうのが流れてきたわけですね。よくありますよね、そういうこと。
ただ、その動画、タイトルが出てこないというか、動画っていっても画面は一枚の静止画のまんまのタイプだったんですよ。でもさすがにきっとコメントとかでは流れたのかもしれないですけど、見逃したのか、全然わからなくて。
えー何だっけ。絶対知ってるやつなんだって。タイトルまではアレだけど、絶対知ってるアニメのやつなんだって!
もうすっごくもやもやして。
聞きましたよね(後の)旦那に。
いま流れてるの何の曲だっけ、って。まぁたぶん敬語だと思いますけど当時は。
そしたらね、もう即答で。
「勇者警察ジェイデッカーのOPでしょ。『Heart to Heart』だよ」
って。
もうね、すとーんとね、すっきりして。それだ――! って。
これで一気に彼の株が上がったんですよ。何この人、
って話をね、旦那にもしてみたんですよ。何かこんな話いきなり思い出したんだけど、覚えてる? って。カッコイイの部分は恥ずかしいので伏せましたけど。
そしたらね、「あー、ハイハイ」って。
おっ!? 何、覚えてるの?! こんなもう干支一回り以上も昔の話なのに?!
っていまさらっと干支一回り以上昔の話なのかよ! って自分が一番びっくりしてるんですけど。えー、何、12年以上前なの? こっわ。
旦那「そういうの昔からめちゃくちゃあるよね」
――ううん?
旦那「松清子が『あーこれ何だっけー。わかんないー、良夫(仮)さーん』ってやつ」
そう、このピンポイントなエピソード云々ではないのでした。さっきの「あーハイハイ」は。
もう同様のパターンが多すぎて、埋没しているのでした。でも、勇者警察ジェイデッカーのやつを答えたこともある気がする、とは言っていたので、記憶の片隅にはあるのだと思いたい。
あとさらっと旦那の名前を良夫にしました。仮名です、もちろん。
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