第813話 イケメンポイント

 まだ5歳といえども、生まれた時から女は女。


 娘を見ていると、なんかそんなことを考えたりします。


 最も身近な女性である私は、女らしいところといえば髪が長いとか、それくらいしかなくてですね。仕草とか言葉遣いとかはもう全然手本にもならないような感じなんですけども、それでもしっかり娘は『女の子』に成長しているわけです。


 私は上に三つ離れた姉がいるんですけども、同性のきょうだいがいる方にはわかると思うんですが、お洋服はほぼほぼお下がりなんですね。もう、色あせた感じがこなれたUSED感を演出してくれて、ナチュラルな毛玉がアクセントになってるような、


「あっ、これ去年お姉ちゃんが着てたやつ」


 が回ってくるわけです。

 それでもたまに都会(旭川)に遊びに行ったりすると姉とお揃い(あるいは色違い)の服を買ってもらえたりするわけですが、その姉の方の服も、


「てことは来年もまた同じ服(ただし所有者は違うやつ)を着るんだな」


 みたいな目で見てたりして。

 昔は特に子ども服って高かったですしね。高かったっていうか、いまの服が安すぎるのかな。


 だけど幸いなことに我が家は一男一女。ズボンくらいはお下がりさせたりしますけど(せめて可愛いアップリケくらいはつける)、基本的に上の服のお下がりはありません。

 無地の服でも男児と女児で微妙にデザインって違うんですよね。襟元の開き具合とか、肩が少しふわっとしてるとか、裾が少しフレアになってるとか。発表会の時なんかは無地のシャツを用意しろって言われるんですけど、「無地なら何でも良いだろ」って男児用の無地T着せたら、何か「THE男の子!」って仕上がりになっちゃったりして。反省しましたね。娘ごめんって。


 いまではママチョイスのコーディネートにしっかりケチをつけ、柄に柄を合わせるという柄の暴力で見る人すべてに無差別攻撃を仕掛けるほどのおしゃれさんに成長したわけなんですが、そんなおしゃれ番長の娘がですね、またイケメンについて物申してくれたのでここで報告させていただこうかなって。


 なんかどこかの話で書いたんですよ。イケメンの条件は髪が立ってる、みたいなやつ。いま、めっちゃ調べました。513話でした。ちょうど300話前!


 それは旦那が湯上がりにおヒゲを剃っていた時のこと。

 旦那はそこまでおヒゲが伸びないタイプらしく、また会社勤めでもないので毎日おヒゲを剃りません。ある程度育ったら剃ります。なので、朝ではなく、お風呂上がりとかに剃ったりします。


 すると、剃り終えたパパのお顔を見て一言。


娘「あれ? パパ、イケメンになった?」


 ――?!


 確かにある程度育ってから剃ってはいますが、そこまでもさもさ伸びているわけでも当然ありませんし、人相が変わるレベルの無精ヒゲでもないわけです。言うなれば、間違い探し★★★☆☆レベル。


旦那「娘ちゃん、パパ、おヒゲ剃ったらイケメンになったかい?」

娘「なったなった! さっきまで全然イケメンじゃなかったのに!」


 剃るまでは全然イケメンじゃなかったんだ!

 何、おヒゲってそんなにイケメンポイント下げるもんなの!?

 ていうか全然イケメンじゃなかったとか、お前、私の旦那になんてこと言ってくれるんだ。いくら娘でも許さんぞ。


 とにもかくにも、我が家のおしゃれマイストロが言うには、おヒゲというのは、『イケメン』を『非イケメン』という全く真逆な生き物に変えてしまうものらしいです。


 だから男性諸君、いますぐおヒゲを剃るのです。イケメンポイント爆上がり。

 

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