第812話 母は強し
いま『強し』って変換しようとしたら、ウチのパソ子ちゃんったら真っ先に『剛』を出してきて、その後も変換キーを押す度に『剛志』だの『剛史』だの『毅』だのでなかなかお目当ての『強し』が出てくれず、ひたすら『ツヨシ君』のバリエーションの豊かさを見せつけてきて困ったんですけど、『母は
そんなことより。
母の日でしたね。
何か母の日って私の中では5月の14日辺りみたいなイメージがあったので、今年はやけに早いなぁって感じでした。
とりあえず北海道の実母には何か適当なストールを送り(実母に対する扱いが酷い)、いつもお世話になっているお姑さんには、小さな瓶に入ったプリザーブドフラワーと、レモン味のお菓子などをプレゼント。
ちなみにそのプリザーブドフラワーは、先日家族全員お休みデーで行った道の駅に売っていたもので、娘ちゃんが目ざとく母の日コーナーを発見し、「おばあちゃんに買う!」と言ったものです。
母の日コーナーに突撃して、おばあちゃんに買う、とはこれ如何に。君の隣にいるの、君のママっていう生き物なんだけどご存知か?
まぁお値段も手頃でしたし、お姑さんはお花が大好きですし、さらには可愛い可愛い孫ちゃんが選んだとなればめちゃくちゃ喜んでくれるだろう、ってことで買ったわけですけど。
お前が「はい、おばあちゃん。母の日だよ!」ってプレゼントするのはどうなのかな? 君の後ろにいるの、君のママって生き物なんだけどご存知か?
お前が渡すと意味合いが変わってくるからな? それじゃ母の日じゃなくて敬老の日になっちゃうからな?
まぁ良いです。
それでですね、私の職場ではお花も売ってまして。鉢植えとか苗とか置いてるんですけども、その業者さんがですね、稀に規格外か何かで売り物にならないお花とか野菜の苗なんかをごそっと持ってきてくれたりするんですよ。
今回たまたまそれがお花でして。
先輩「宇部さん、母の日だから、三つ四つ適当にラッピングして持って帰って良いよー」
ということでですね。
三つほど束ねてラッピングしたものを追加でプレゼントしたわけです。
それをお届けした際、玄関にずらりと並ぶプランター達を見て「あれ、これ以上花増やして大丈夫? ていうか、こいつの入る余地あるかな? いらないとか言われたらどうしよう」と内心びくびくだったんですけど、全然喜んでいただけましたね。お義母さん、どんだけ花が好きなんだ。
そう。
花が好きといえばですよ。
昨年のハロウィン辺りですかね、名前はちょっとわからないんですけど、ガラスの器にカラーサンドを良い感じに敷き詰めて、その中に植物を入れるやつあるじゃないですか。それを知人に頼まれて二つ作ったんですね。社内報に載せる写真が欲しかったらしいのと、客寄せパンダ的な。ま、お客は来ませんでしたけど。私にはパンダ役無理ですって。
で、私は小学校の朝顔も無事に枯らすような人間ですから、正直作ったものはいらないわけです。
お義母さん、お花好きだし、もらってくれないかしら。
恐る恐る、いかがですかー? ってプレゼントしたらですね、
「アラー! おしゃれー!」
って。
お義母さん、何でも喜んでくれる! 聖人かよ!!
で、その時のやつ、いま、めっちゃくちゃ育ってる、っていう。
もうね、もっさもさ生えてる。
えっ、これこんなに成長するやつでした?!
「あたし、上手いのよねー!」
もうめちゃくちゃ誇らしげに見せてきましたわ。
まさかあん時のあいつがこんなにわさわさと大きく育つとはね。
すげぇな、これが昭和の母の力か。
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