第759話 『走る』

 走るわけないですよ、この私が。


 おいおいお題2つ目にして早くも挫折かよ、と。

 いや、やると決めたら度胸はモーレツなんですよ。これ伝わるかなぁ、赤塚不二夫先生の『もーれつア太郎』のアニメのオープニングですね。『がってん承知ノ介』ってタイトルらしいです。タイトルまでは知りませんでしたし、別にこのアニメもそんなに熱心に見てたわけじゃないんですけど、昔のアニメって主題歌が特に印象的だったりしてそこだけ覚えてたりするんですよね。


 まぁそれは置いといて。

 そう、『走る』なんですよ。


 この年になりますと、本当に走ることが縁遠くなると言いますか、いや、例えば赤信号が点滅してるとかね? そういうのでタタッと走ることはあるんですけど、そんな全力疾走はしないといいますか、駆け足程度といいますか、何なら青信号を待っている車の方々に対して「いま急いで渡りますからねー」っていうポーズみたいなところありますから。

 ほら、たまにいるじゃないですか、点滅してる時にとりあえず横断歩道内に入りさえすればあとは歩いてOKみたいな考えの人。そりゃそうでうすよ、歩行者がいるとなればいくら青信号でも車側は発進するわけにいかないんですもん。そういう風に思われたら嫌なので、とりあえず、さっさと渡る意思を見せます。ただ、遅いんです。そこはもう許してほしい。


 そんでもう最近では、よほどのことがない限り点滅してても渡りませんから。いっそ諦める方向になりましたね。自分一人の時ならまだしも、子どもと一緒の時なんかはやっぱり危ないですし、だったら何事も余裕をもって行動して、信号一回分くらいのんびり見送っても良いんじゃないかな、ってね。ウチの子、私に似て足も遅いですし。


 だからね、ほんと走らなくなりましたね。ていうか、どうせ走ってもですよ、早歩きと大差ないくらい遅いんですもん。だったら早歩きで良いんじゃない? ってなりますよ。


 仕事中もですね、そりゃあ急がなくちゃいけないこともあります。売り場で色々作業してる時にレジで呼ばれたり、なんてことはしょっちゅうですし。でもね、一応店のルールとして走るのは駄目なんです。危ないから。だから、競歩みたいな動きでレジに向かうわけですよ。レジで待ってるお客様も、遥か遠くからのたのた店員が歩いて来たら「おいこっちは待ってんだから急げよ」って思うでしょうし。店のルールとして走れませんけど、かなり急いでますよ感を出すために競歩みたいな動きで向かうわけです。


 ちなみに、ウチの店ではお客様が3人並んだらレジ増員のボタンを押すことになってるんですが、『お客様が待てる時間は〇分です。速やかに応援を呼びましょう』みたいなポスターが休憩室に貼られてるんですよ。その〇分部分は一応伏せておきますけど、とりあえず3分以下であるとだけ。


 いや、お客様を馬鹿にしすぎじゃない?

 いい年した大人が3分待てないとか、馬鹿にしすぎじゃない?

 カップ麺すら待てねぇのかよ、って。ウチの子でも待てるっつーの。


 まぁそれだけ待たせるな、って意味だとは思うんですけども。いや、それにしてもですよ。私も客の側で買い物しますけど、そんな風に思われてるんだとしたら心外だな、って。トイレ(しかも大の方)を我慢してるなら話は別ですが、だとしたら先に済ませて再び並びますって。


 とまぁそんなこんなでとにかく『走る』から遠ざかっている私でした。

 

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