第736話 サプライズって難しい

 もうタイトル通りの話なんですけど、サプライズって難しいじゃないですか。


 その時が来るまで絶対にバレないようにしないといけませんし、それに、バレなかったとしても、じゃじゃーんって出した時にびっくりしてもらわないといけないというか。あ、そうなんだ、ふーん、ではいくらギリギリまで隠し通せていたとしても『サプライズ』としては弱いわけですよね。


 でも、なんて言うんですかね、その「(悪い意味じゃなくて)驚かせようと一生懸命準備した」って部分にグッとくるわけでして、私なんかはどんどんサプライズを仕掛けて来てほしいなぁと思うわけです。


 なので、私としてはですよ、割と日常的に小さなサプライズを仕掛けたりするわけですよね。じゃじゃーん、実はもう買って来てありますー(ビール)とか、そんなレベルのやつですけど。

 

 ただこのビールなんですけど、毎回思うのは、何でこんなに種類あんのよ、って。飲まない人間からするとですね、もうどれだよ、って。ビールと思って買ったらこれはビールじゃないとか、そんなビール側からのサプライズはいらねぇよ、って。昔はスーパードライ(銀の缶)とサッポロ黒ラベル(でっかい星がついてるやつ)とラガー(麒麟の絵がついてる)くらいしかなかっただろ? あとバドワイザーはあのバドガールが目のやり場に困って――ってのは置いといて。とにかくそれくらいしかなかった気がするんですよ(たぶんあった)。母親がスーパードライしか買ってなかっただけかもしれませんけど。


 それなのにいまは何だ、赤い缶やら青い缶やら金の缶やらと、私を翻弄して来るんですよ。もう結局どれ買ったら良いのよ、そんで旦那も色々試すなよ、試しても良いけど、「現在はこれが一番美味しいです」ってこっちにアピールして来いよ、と。


 とりあえず資源ゴミの箱を漁って、一番多く入ってる缶のやつを買う私です。妖怪資源ゴミ箱漁りですよ。


 ってそんなことは良いんですよ。サプライズの話をしたかったんですって。


 そう、それでですね。そんな私のプチサプライズに触発されたか、旦那が仕掛けてきたんですよ、サプライズを。


 いきなりね、こんなことを言い出したわけです。


「俺のティンカーベル」


 と。


 こいついきなり何言い出したんだ、と。

 そう思いましたし、そう言いました。


 そしたら、思った反応と違ったんでしょうね、「あれ? 嬉しくない?」みたいなことを言い出すわけですよ。お前は私と何年一緒にいるんだと。私がそんな言葉で喜ぶと思ったのか、と。


宇部「そもそも何でティンカーベルなの」

旦那「えー、ほら、何か良いかな、って」

宇部「何か良いかな、じゃないよ。チョイス! 明らかなる人選ミス! そんで私がティンカーベルなら○○さんは何なの」

旦那「そらもうピーターパンよ」

宇部「永遠の少年! そもそもあいつらの関係何よ? 夫婦じゃないじゃん!」

旦那「えーっと、何だろ。でもほら、ティンカーベルっていっつもピーターパンの周りぶんぶん飛んでるし」

宇部「言い方が虫!」


 とりあえず、たまにはこう「ハニー」的なことを言いたかったらしいです。サプライズで。だったら大人しくハニーにしとけやって思ったんですけど、個性を出したかったらしく。いやいや、ハニーで良いって。そこは普通で良いじゃん別に。個性出してんじゃないよ。


 その後、ティンカーベルはなかった、ということは何とか理解してもらえましたが、「わかった、アナ(アナ雪の)だ!」と舌の根の乾かぬ内に言い出しまして。そんじゃやっぱりお前は誰なんだよ、って話になるわけですよ。


宇部「オラフ?(中身がピ〇ール瀧の雪だるま)」

旦那「違うよ、スヴェンだよ!」

宇部「そいつトナカイだから」

旦那「あれ? マジで? ほらあの、でかいやつだよ。えーと名前わかんないけど」

宇部「えーと、私もわかんないや。ジョンとかかな?」

旦那「ジョンだっけ。ジョンで良いか」

 

 良いわけあるか。

 クリストフでしたわ。


 あと、このシリーズのサプライズはもうやめてくれ

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