第536話 しみじみ思うこと

 このエッセイを読んでくださってる方々は、私が実は二児の母だってことをとっくにご存知かとは思うんですけど、もしかしたらこの話から読み始めたって人もいるかもしれませんので、改めてお伝えしようと思うんですけど。


 実はね、私って女性で、既婚者で、二児の母なんですよね。ほら、知らない人は知りませんから。未だに私が男だと思ってる人もいるかもしれませんから。ただね、それ、536話で言うこと? とは思いますよ。本編にも関係ないですしね。関係ねぇのかい。いや、ありますって。


 いや、こないだですね、しみじみと思ったんですよ。


「あぁ、私、親になったんだなぁ」って。


 息子が7歳でね、娘が5歳(誕生日迎えました)でね。

 息子の勉強を見てる時とか、娘の着替え袋の中を入れ替えてる時とかね、おぉ、私、母親じゃん、って思ったりするわけです。仕事帰りにスーパーに寄って、明日はどんなおやつ出してやろうかなとか、今日の夕飯に何か可愛いかまぼこ(キャラもののやつ)でも入れてやろうかなとかね、そんなこと考えたりするとですね、


 ちょっと、私、いま最高に母親っぽーい、なんて思ったりして。


 たぶん、世の中のお母さん達はこんなアホなこと考えながら買い物したりしてないと思うんですけどね。


 将来の夢はお嫁さんでしたから、結婚願望はかなり小さい頃からあったんですけど、なりたいのはお嫁さんであって、お母さんではなかったんですよね。


 まぁ、『将来の夢』における『お嫁さん』っていうのもよくよく考えたら結構謎っていうか、ウェディングドレス着て結婚するのがゴールみたいな感じじゃないですか。その後の旦那さんとラブラブウフフな部分なんて小学校低学年辺りは知りませんって。だから、きれいなドレスを着て、素敵な旦那様と結婚式をしたい、っていうのが『将来の夢』の『お嫁さん』なんじゃないかと思うんですよ。

 だってお母さんになりたいなら、将来の夢も『お母さん』になるはずじゃないですか! とひねくれ者の私は考えちゃうわけでして。


 だから、そんな私が親になるなんてなー、って、未だに思ってたりするんですよね。


 で、先日ですよ。

 やっと本題に入るわけです。


 えー? ここからー? って思った方はこのエッセイの初心者さんですね。若葉マークが眩しいです。ベテランさん達、ちょっとこちらの若葉さんに教えて差し上げて? このエッセイ、1,000字超えてから本題に入ることもざらにあるのよ、って。


 ある日、『ホイップメロンパン』というカロリー爆弾のCMが流れたんですよ。メロンパンだけでも相当な戦闘力持ってるのに、そこへ来てホイップ注入してますからね。スカウターぶっ壊れますよ。スカウターもぶっ壊れますし、ジーンズのボタンも弾け飛びます。


 しかし子ども達はカロリーなんて恐れないのです。むしろ積極的に摂取したいお年頃! いや、娘はちょっと控えめでね? あなたの自慢のもち肌ったらもうもっちもちのむっちむちだから!


 食べたい食べたいと言われれば、買ってしまうのが親です。私もね、買っちゃいました。皆CMで購買意欲をかきたてられちゃってるのか、いつも売り切れてるんですけど、それだけに残ってると買っちゃうんですよ。


 さすがにおやつだと夕飯に響きますから、半分こにして朝ごはんに出すわけです。宇部家は木曜と日曜が朝ごパンなのです。まさかそのメロンパンだけってわけにもいきませんからね、それ以外に小さいホットドッグ作ったりサンドイッチ作ったりしますけども。でもね、口の回りをクリームまみれにして「おいしーい」なんて言われちゃあねぇ、よっしゃまた買ってやるでな、って思うわけです。


 で、水曜と土曜の仕事帰りにスーパーに寄る度にパンコーナーでホイップメロンパンを探し、あれば買い、としていてハッと気付いたんですよ。


 そういや自分の親も、私が美味しいって言ったものをとにかく毎回買って来たな、って。「もー、母さん(父さん)またこれー? 好きだから良いけど、たまには違うの買ってきてよー」なんてよく言ってたな、と。


 いまになってその気持ちがわかるんですよ。


 親はとにかく子どもが「美味しい」とか「また食べたい」って言ったその言葉とか、嬉しそうな顔を覚えていて、またそう言ってもらいたい、喜んでもらいたいって気持ちで買ってしまうんだな、って。


 あと、たまには違うやつを買っても良いんですけど、外れたら悔しいのでとりあえず、いつもの買っとけ、ってのもあります。


 おい、せっかく良い話で終わりそうだったのに。

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