第435話 いやもうそろそろ良くない?
私が子どもだった頃は、好きな番組を好きなタイミングで見られることってなかなか難しかったよなぁと思うわけです。
子ども向けはこの時間ね、みたいな感じと言いますか、チャンネルを変えれば(BS含む)どこかしらで何かやってくれてるってこともなかったですし、録画ったらビデオテープなので、いちいち探したりもしないといけないわけです。
ところがいまは外付けのハードディスクに録画したアニメやら特撮やらがもーりもり。ウチの子ども達は選び放題で見放題です。
羨ましいなぁと思う反面、こんなにたくさん見るものがあったら、どれを選んだら良いかって困らないかな、なんて思うわけで。
そんでまたアニメなんかも1クールで終わるのが当たり前みたいな感じで、次から次へとバトンタッチされるわけですよ。何かもうね、目まぐるしくて。だってもう下手したらやっと全員の顔と名前が一致したなって思う頃に最終回とか、そんなこともあるんですよ。
こんなにぱたぱたしてたら、本当にハマる作品に出会えないんじゃないかとか、ハマったとしても1クールでさよならで、あの作品のヒロインを越える子なんてないだろうなんて思っていたら案外その次に始まったやつのヒロインがすげぇ好みでどうたらこうたらみたいなことになったりするんじゃないかとか。
で、いま心配してるのが、何ていうんでしょうね、飽きっぽい子になったらどうしよう、って。だってもう日替わりとかでイケるくらいあるんですもん。昔は特撮が見たかったら金曜日の夕方(5色戦隊はこの時間だった)か、日曜の朝(女児向け特撮とメタルヒーロー系はこっちだった)ですし、見逃したらそれでおしまい。レンタルビデオ店なんてそんなほいほい行ける感じでもありませんでしたし。
そんでこれが、テレビだけにはとどまらずですね、おもちゃ関係にも言えるわけでして。
おもちゃってやっぱり高価なものでしたから、クリスマスとか誕生日とかそういう特別な時にやっと買ってもらえる感じだったんですけど、いま安いおもちゃもたくさんあるわけですよ。食玩とかもね、出来が良い良い。
そんでもって、かなり身近に
やれ全快祝い(ただの風邪)だ、今日はお利口さんだったから(特に騒がなかっただけ)、なんていう理由でちょいちょい何かと小さいものを買ってくれるわけです。いや、お気持ちは嬉しいんですけど、あの、これ以上こまごましたものを増えますと……。
なんて思いつつも、こっちもこっちで「初めての歯医者さん(虫歯がないかのチェック&フッ素を塗ってもらうだけ)頑張ったね」とか言って絵本を買ったり(いや、本は良いんだ、本は……)、「今日は一回も疲れたとか言わずに歩けて偉かったね(学校からの帰り道)」とか言っておまけ付きのお菓子を買っちゃったりしてるわけで。
畜生、何かこう絶妙に買い与えやすい価格設定と大きさにしやがって!!
なんてお門違いの怒りをメーカー側にぶつけつつ、そのこまごまちょこちょこで散らかりまくった部屋を見てため息をつくわけです。
が。
あんなにたくさん絵本がある中でも、テーブルの上にいつもあるのは、
『全仮面ライダー オール怪人大図鑑』昭和編&平成編
文庫サイズの分厚いやつ。
もう表紙も剥がされ、がっつり開きすぎたせいで何ページか糊が剥がれてたりするやつ。もちろんページもぼろぼろ。角もヨレヨレ。
いや、もうそれはそろそろ良くない?
休ませてあげても良くない?
なんて突っ込みを入れたくなるほどの状態なんですけども、それでも、そこまで読んでくれるのが嬉しかったりも。
うん、でもさ。
もうちょっと大事に読めな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます