第429話 GOD
いやいや、参りましたよほんと。
せっかく学校が始まったと思ったら、まぁーたお休みなんですって。今度はゴールデンウィーク明けまで。仕方ないんですけどね。でも、息子はウキウキで登校してましたので、やっぱりちょっと可哀相だったりして。
1年生の時の担任の先生が定年で退職してしまって、ちょっと寂しそうにしていたんですが、新しい先生が若い女の先生ということで、ジゴロである我が息子は恐らく色んな意味でウッキウキだったんじゃないかと。
しかし、まぁくよくよしていても仕方がないわけです。
息子もですね、まぁ、お休みならお休みでいっかー、みたいなところがあるといいますか、一日中好きなことが出来てラッキー、くらいの気持ちになってますからね。何その切り替えの早さ。見習いたい。
さて、そんな土曜日のお昼のことでした。
職場でお昼を食べていた私のスマホに旦那からLINEが届いたわけです。
『GOD機関が出来ました』
このメッセージと共に添付されていたのは、『仮面ライダーX』の敵、『GOD(Government Of Darkness)機関』のジオラマです。大幹部であるキングダーク(デカすぎて常に寝転がってる。あのでっかい涅槃像みたいなイメージ)をバックに、幹部のアポロガイスト、それから怪人ネプチューンとサソリジェロニモ。それらがすべてコピー用紙に描かれ、切り抜かれて配置されておりました。アポロガイストはまだわかるとしても、なぜこの怪人をチョイスしたのか。まぁそれは良いです。
とにもかくにもクリエイター息子君は、午前中いっぱい使って悪の秘密組織を作っていたのです。お前この間はネオショッカーの首領だったじゃねぇか。まさかGOD機関の方にも関わっていたなんて。兼任?
この平和な秋田県某市の閑静な住宅街にある旦那の実家に、突如として悪の秘密組織が生まれてしまったのです。助けてXライダー! と思いましたが、残念、その前日に書いたXライダーは宇部家で待機中なのです。
どうする、このままでは秋田県某市を皮切りに日本が征服されてしまう! いまそれどころじゃないのに!!
しかし、我々の声はちゃんと届いているのです。
誰にって? ライダーにではありません。この世界の
彼は大急ぎでXライダーを作り、見事この秋田県某市を救ったのでした。めでたしめでたし、という話ではあるんですけど。
いや、本当はこれ、Twitterに載せようかなって思ったんですよ。『ウチのクリエイティブな息子がGOD機関を作ったぜヘイヘイヘーイ!』みたいな感じでね。しかし、先を越されてしまったんですね、旦那に。
ここでうっかり同じ画像を上げたら大変ですよ。あっ、この人が宇部さんトコの旦那さんなのね、ってバレちゃうバレちゃう。あっぶね。
そういや、
「ママ、『赤ちゃん』作ったよ」
「――は?」
お前、そんなの20年は早いから! と思わず突っ込みそうになりましたが、彼の手の中にあるのは、明らかにコピー用紙で作られしお人形。どうやら男児であるらしく、股間にちゃんと立派なアレが描かれておりました。よくもまぁ表現出来たな、と感心しましたよ。一瞬「なぜこんなところに『
しばらくは甲斐甲斐しくおむつ(コピー用紙)を替えたり、寝かしつけたりしていましたが、そういや最近姿が……。ええ、育児放棄?!
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