第366話 三人旅行
年に一度、仙台に行く、というほぼ強制のイベントがある宇部家です。メンバーはいまのところ娘ちゃんを除く3人。
えっ、3人!? 娘ちゃん抜きで!? 酷い宇部さん! 見損なったわ!! もうこのエッセイ読みません!! フォローもはずします!!!
いやいやちょっと待ってください。フォローはずすのは構いませんけど、ちょっと説明させてください。
この仙台イベント、もちろん道中はウキウキドライブですしホテルで一泊だ何だと楽しいことはあるんですけど、そもそもの目的が病院なのです。
息子君、生まれた直後に――というか恐らく腹の中で既に?――そこそこの大病を患って、0歳11ヶ月くらいの時に開頭手術してるんですわ。あぁ、大丈夫です皆さん、これは早期の手術でほぼほぼ完治するやつですので。頭皮にちょっと恰好良いギザギザの傷痕が残る程度です。坊主にしたらたぶんEXILEみたいなことになる。そんなEXILEいるのか知らんけど。
ちなみにこの病気、私もやってましてね。遺伝等である程度予測出来た息子とは違うので、母さんよく気付いたな!? っていう親の愛にじーんと来る感じではあるんですけど、いや、医者このやろう、ほぼ遺伝しねぇって言ってたじゃねぇか! 息子に遺伝したぞおい!
まぁ良いです。
とにもかくにも早期発見出来ましたので、術後はこのように年一で頭のCTを撮っているというわけでして。
さて、このCT。こいつが曲者なのです。よちよちバブバブの頃は良かった。眠くなる薬を飲ませ寝かしつけて……が出来たので。ところが大きくなりますと、飲み薬がなかなか効かなくなり、とうとう座薬が登場。ところがこいつも○○○と共に元気よく排出の憂き目に。数時間かけてどうにか寝かしつけて……と、わずか数秒のCTを撮るだけで、親の方はもうぐったりですわ。
さて、いよいよもって薬には頼れなくなりました。ここからは人対人、交渉です。何せウチの息子は誰に似たのかスーパービビり太郎。前日からどんなことをするのかしっかりお話しし、頑張ったらご褒美(小さいおもちゃ的な)があると励まし、何ならそれも前払いして――で臨んだ前々回は、三浦大知君の『EXCITE!』が流れる(男の子向けにライダーの曲かけてくれてた)中、我が子もエキサイトしちゃうという有り様でした。
どうやら、あの大きな機械が怖かったようです。
今度こそは、と迎えた前回は、そこまでエキサイティングではなかったものの、う~んちょっと僕には無理かなぁ~、みたいな感じでやはり出来ず。結局ここ数年、撮りもしないCTのためにホテルを取って仙台に行くというよくわからないイベントになっております。
しかし、そんなビビり之介ももう小学生。あと数ヶ月で2年生。ここはいっちょ男を見せてほしいところです。
さて、これを書いているのは出発前のこと。息子君は毎度毎度のことながら、直前までは「僕ぜんぜん怖くないから!」と余裕をぶっこいております。君、毎年それ言ってるからね?
もうさすがに騙されねえぞ、という気持ちと、頼む今年こそ! という気持ちで明日出発です(これがアップされる頃にはもちろんすべてが終わって帰宅してます)。
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