第359話 日時指定配達

 私、通販をよく利用するんですね。単純に田舎だから何もないっていうのもありますし、あったとしても遠いので電車やバスを乗り継ぐくらいなら送料を払った方が安いんですよね。


 支払いはクレジットカードなんていう便利なものがありますけど、個人的に助かるのは銀行振り込みですね。前払いのやつ。あとはもう受け取るだけだから、っていう安心感。カードでも良いんですけど、今日買っても引き落としが来月とかだったりするのが現実味がないと言いますか。楽なんですけどね。


 一番困るのは代引きですね。

 アパートやマンションなんかでは、受け取りの際に不在だったりするとお隣さんが「じゃあ家であずかっときましょうか?」なんていってそのままパクったりするとかで、それの防止になるみたいな恐ろしいことを聞いたんですけど、まさかですよねぇ。

 とりあえず、ウチはアパートじゃないので大丈夫かな、と。そんなことを思っているわけですが。


 さて、宅配業者さんなんですけど、そんなこんなでまぁよく利用するものですから、ほんといつもいつもこんなところにすみませんねぇ、って気持ちでいるわけです。というのも、職場の同僚の旦那さんが宅配ドライバーさんらしくて、毎日かなり大変そうだという話を聞くもんですから。ほんと大変みたいですね、時間を指定しているのに、その時間にいないとか、何の目的があるのか知らないけど明らかに居留守使ってくるとか。まぁ、私も「さすがにいまは出られない」という事態に直面することは何度もありますけどね。主にトイレと入浴中ですけど。だから、風呂場とトイレにインターホンの子機が欲しいなぁって思ってます。


 でもですね、こうやって身近にドライバーさんの身内の方がいると思うと、こりゃあもう迷惑なんてかけられねぇなって思うわけです。全然内容は違いますけど、私も玄関をピンポンする仕事をしていたことがあるもので、居留守とか、「ちょっと待ってくださーい」→(炎天下or氷点下の中)10分以上放置の辛さとかね、知ってるわけです。だけど、飛び込み営業の私はまだ良い。飛び込み営業なんて嫌われ者ですから。でもね、宅配よ? あなた宛の荷物運んでんのよ? 出なさいよ! 


 というわけで、なるべく日時を指定して、その時間はきっちり在宅する私なんですけど、それでも催してくるものは仕方がない。どうして私はあんなにコーヒーを飲んでしまったんだ。後悔の念がよぎります。いままさによぎってます。ええ、そうです。いま荷物を待ちながらこれを書いているのです。


 ちなみにウチは玄関側(っていうのかな)に窓がないもので、家族団らんを覗かれる心配は0な家なんですけども、そうなると、宅配トラックが来たこともまったくわかりません。なので、指定時間には、音が出るものをすべて消し、エンジン音らしきものが聞こえてきたら判子を持って玄関モニターに走ります。そこでトラックの存在を確認したら、ドアの前で待機です。


 っていうのをその同僚にお話ししたらですね、「宇部さん、完璧です」と褒められました。そうやってすぐ出て来てくれると大変助かるらしいです。


 だから今日もですね、PCの脇に判子をスタンバイして待っていました。キーボードをカタカタしつつも耳を澄まします。あと30分、あと30分以内に来るはず……。持つか、私の膀胱! とか思いながら。



 すると――、


 ピンポ――ン


 鳴ったわけです。

 嘘だ! まだエンジン音は聞こえていない! まさか聞き逃した?! そんなわけはない。強風の時だってちゃんと聞こえたじゃないか! 何?! 宅配トラック、プリウスにでも替えた!? もしくはドローンか!?


 そんなことを思いながらモニターを見ると……ない。トラックがないのです。


 さてはこの大雪でUターンは出来ないと判断し大通りから歩いてきたな?! そうだよね、私の荷物、小さいしね!(布)


 とまぁそんなこんなでいつもより数秒で遅れつつも無事手早く荷物を受け取り、トイレに行きました。


 そんな話です。




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る