令和2年2月
第347話 違うんです!
何度もここで書きましたけども、私ってやつはまぁ心配性でして、別にそんなことまで考えなくても良くない? ってことを常日頃考えてるわけなんですよ。
捕らぬ狸の皮算用ってね、あるじゃないですか。このエッセイではもう『とらたぬ』なんて略されてますけどね。ほのぼの日常アニメ風にね、略されてますけども。
何ていうんでしょう、『とらたぬ』とは違うんですけどね、起こってもいないことを想像して、やばい、そんなことになったら社会的に終わる! みたいなこと考えたりするじゃないですか。しますよね? 私はしょっちゅう、「この炊き立てほかほかのご飯が入ったお釜の中に味噌汁ばしゃーってかけちゃったらどうしよう」ってよくわかんないこと考えてるんですけど、これ、例えば私がボケ老人になったら真っ先にやらかす奴なんじゃないだろうかとか、最近ではそこまで考えたりするわけですよ。しかももし息子夫婦と同居だったりしたら、それが原因でホームにぶち込まれるんじゃないかとかね。
馬鹿か、って思ったでしょ。大丈夫。自分に正直になってください。馬鹿だなこいつ、って思うことは決して悪いことじゃないんです。ていうか、私自身、こいつ馬鹿だな、って思ってますから。
さて、そんな常に馬鹿なことを考えている私なんですけど、トイレでもまた馬鹿なことを考えたりするわけです。
ちょっと前にですね、耳の裏におできが出来てしまったんですね。ちなみにこの『おできが出来る』って『頭痛が痛い』とか『馬から落馬する』とかと同じなんでしょうか。もうそんなことは良いんですけど。じゃあ何で書いたんだよ。
いや、そのおできがですね、いまどんなんなってのかなーって気になっちゃったんですよ。気になりますよね? でも、耳の裏ってどう頑張っても見えないじゃないですか。世の中にはめちゃくちゃ身体が柔らかくて自分の股の下に首突っ込んで背中が見える人とかいたりするじゃないですか。知りませんけど。でも、こればっかりは無理。ヨガを極めても無理。極めし者でも見えないやつ。いっそ肉眼は諦めて心の目で見るしかない。
だからね、スマホのカメラで撮ろうと思ったんです。あったまいー!
あったまいーわけないんです。もうわかりきったことなんですけど。
いや、それ仕事中の話でしてね、まさかみんなの前で堂々と耳を自撮りするわけにいかないんですよ。この人自分の耳なんか撮ってどうするのよ、インスタにでも上げるの?! どこに需要あるの、それ?!
私は出来るだけ職場ではクールな宇部さんでいたいものですから、よっしゃトイレでいっちょ撮ってくっか! ってなもんで、いそいそと個室に向かったわけですね。
カメラを起動させスタンバイOK! あとはシャッターを押すだけ……
気付きましたよね。
ぎりぎり気付きました。
トイレの個室からシャッター音が聞こえたら、もうそれは何かしらの犯罪が行われているやつですよ。私が入った時には確か誰もいなかった気がするけど、位置確認とかわちゃわちゃしてた時にもしかして誰か入って来たかもしれなくない!? そんでカシャとか聞こえてごらんなさい。えっ、もしかして私撮られた?! ってなりますよ。
ぎりぎりセーフですよ。
あと一歩で警備員さん連れて来られて、
「いま撮影したものを見せなさい」とかやられて、「あぁー、これいっそ潰しちゃった方が早くない?」みたいなおできの画像を見せる羽目になるんですよ。
あと、出先で子どもが色形すべてにおいて完璧すぎるウ○○を出した時、これは旦那に報告したい、って一瞬カメラを構えるんですけど、画像フォルダに愛しい我が子のものとはいえウ○○があるのは嫌だな、って踏みとどまっています。
これもついうっかりカシャっておさめてしまった日にゃ、警備さんがわらわらやってきて「いま撮影したものを見せなさい」の刑ですよ。
違うんです、私は別に他人のお尻とかに興味はありません! 子どものウ○○が撮りたかっただけなんです!
まぁ、他人のお尻(しかも同性)をおさめるよりは、我が子のウ○○の方がまだまとも……でしょうか……? これ、何かしらの犯罪になります? ヤバい性癖として申し分ないくらい申し分ない事案ですよ。
あーぁ、こんな話で2月始まりましたわ。すみませんね、ほんと。
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