第304話 本の天国
以前お話した通り、私、息子の学校で読み聞かせのボランティアをしているんですよ。学校の1階にある広場みたいなところにですね、大型の絵本とか紙芝居とかおいてあるんですよ。そこのを借りて読んでたんですけど、さすがに子ども達ももう読んでたりするもんですから、「知ってるー!」って声がね、聞こえてきちゃうわけですね。
で、私も「ちくしょう、いまに見ておれ」ってなもんでですね、行きましたよ、市立図書館に。で、紙芝居コーナーに行きましたらば、もうあるわあるわ。むしろありすぎて選べねぇよってくらいあるわけです。
まぁ、結局選んだんですけど。
旦那に子ども達を見てもらってですね、その間子ども達はうっきうきですね。何せこんなに本があるわけですから。もうあれも読みたいこれも読みたいっていうのがスパークしまくってですね、何度旦那に「しーっ」って注意されたか。
しかし、つくづく思ったんです。
本好きな子に育ったなぁ、って。読んで読んで攻撃をちょっと面倒に思う時もありますけど。息子が産まれて間もなくですね、私も少々浮足立っていたといいますか、やっぱりこう、夢みたいなのがありまして、ヤフオクとかで絵本何十冊セットみたいなのを買ったりしてね。まだしゃべれもしないっていうか、首すらすわってないのにね。
で、保育園に入るとですね、毎月毎月絵本をもらう(ていうか強制で買わされる)もんですから、もうリビングの本棚がえらいことになっているわけです。
子どもが出来たら絶対にリビングには本をたくさん置くんだ、ってずーっと思ってたんですけど、ちょっと想像以上の事態になっているというか。
さてそんなこんなで図書館ですよ。
字が読める息子は一人で黙々と読み、まだ字が読めない娘は旦那に読んでもらって、思い思いに図書館を堪能している中、私はというと紙芝居の海にダイブしておりました。
もうとにかくあいうえお順で衣装ケースに収められておりまして、例えばジャンルで分かれているとか、そういうことでもないものですから、大変なんですよ。だけれども、あの子ども達を思い浮かべてですね「いまに見ておれ」の一心ですよ。
朝、授業が始まる前に読むので、小難しい話はパスしたいですし、お化けとか怖いやつも苦手な子がいるかもしれないので、私としては、落語的なやつとか、ちょっと笑える感じのを選びたいんですが、表紙からはわからなかったりするわけです。
おっ、これ良いじゃん、ってケースから取り出し、ぱらぱらめくってみますと、キャッチーな絵柄に反してのっけからハードな展開(さらっと『厳しくあたるのでした』みたいな表現で井戸の上に宙づりしている)だったり、『金色夜叉』とか『曾根崎心中』が出てきて「えっ?」と思っていたら、高齢者向けだったりして。何だ何だ、この調子だと黄金バットとか出て来るんじゃないのか? って期待したんですけど、さすがにそれはなかったです。
そんで、ぱらぱら眺めては「うーん。これはオチが弱い」とかね、自作品を棚に上げてそんなことを思ったりして、とまぁそんなこんなで3冊ほど選んだわけです。
私の大好きな「ぼくは王さま」シリーズのやつと、スイスの笑い話(?)と、あと、南極のタロとジロのやつ。時間的にギリギリ2冊なんですけど、一応保険的な意味も込めて。
で、家に帰って実際に読んだりして吟味してですね。
ちょっとタロとジロは1年生には難しい過ぎるかな、って止めました。
本当の理由は私が読みながら「うおおおおお!!! タロ、ジロおおおおおおお!!!」ってなったからです。
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