第236話 もしも、を想定する

 私はとにかく心配性です。

 いや、真の心配性の方に比べたら、まだまだ心配性レベル25(MAX99)程度だとは思うんですけど。


 ありとあらゆることが心配すぎて荷物がぱんぱんになることは以前もお話ししましたが、まだ一年生とはいえ小学生の息子とのお出掛けにおいてもまだお着替え一式を携帯してしまう私です。

 もしかしたら雨が降るかもしれませんし(タオル追加)。ラーメンのどんぶりひっくり返しちゃうかもしれないじゃないですか。

 現地でホイホイ調達出来るような都会でもないもので、ついつい家にあるのを持っていこうとしちゃうんですね。


 さてそんな心配性の私ですけど、稀に心配性レベルがぐぐっと上がる時があります。一過性なんですけどね。たぶん、悟空がスーパーサイヤ人になる時とか、そういうやつだと思います。クリリンがやられたのかもしれません。



 もし、クッパ的な悪者に旦那が拐われて、数人の偽物を用意され、この中から本物を当てられたら返してやるとか言われたらどうしよう。


 どうしようもこうしようも、いよいよもって何かしらの病気の可能性。

 こんなことが、ふ、と浮かんでくることがあるわけです。

 これまでクッパがピーチ姫を拐った際、そんなクイズ的な展開でマリオと対峙したことがあったでしょうか。ないはずです。なのに私は何を考えているのかと。たぶん夢とかで見たんでしょうね。


 とにもかくにも本物を見つけなくてはならないわけです。ちなみに旦那の方では必死に「俺が本物だ!」ってアピールしてくるわけですけど、偽物達も必死ですよ。たぶん見事欺けたらボーナスとかもらえるんでしょうね。


 さて、こうなりますと、一体どこで本物の旦那を見分けるのか、という話になってくるわけです。


 ここで重要なのが、『動けるのが果たしてどちら側か』という点。

 つまり、本物を探し当てるために私が動けるのか(触ったり臭いを嗅ぐなどの接触や、ある程度の質問が許される)、それとも、向こうからのアピールなどで見破る展開(私は解答席から動けない)なのか。


 そりゃあね、私だってまぁ長いこと一緒にいるわけですから? 肉親の次に長く一緒にいる人ですから? お触りやら臭いやら嗅がせてもらえるっていうんならね? もう全然楽勝なわけですよ。ただこれが、それぞれ1分間のアピールのみで、はい、答えてください! 方式だときついなって。


 というのもですね。

 

 よくよく考えたらですよ。

 私ね、ほんとよくよく考えてみたんですけどね。


 旦那のこと実はよくわかってないということに気が付いたんですよ。

 いきなりのホラー展開!! あなた本当に私の旦那? 


 例えば、一番好きな色が何色か。→私はピンク。

 好きな食べ物は何か。→私はハンバーグ。

 

 こんな初歩的なことも実は知らないのです。

 私がしまむらで変なコラボTシャツ(スプライトとか、ワンカップ大関とかの)を買ってきても(一応部屋着のつもりでしたが)、わーいありがとう、で着るような人ですし、何作っても美味い美味いって食べる人なんですよ。


 何に対してもイエスの人って、こういうところがあるな、って。

 

 どうしよう、『旦那の本当に好きな食べ物を当てるまで出られない部屋』とかに閉じ込められたら。


 そんなことを(無駄に)考えましてね、もう思い切って本人に直接聞いたわけですわ。

 もちろんそのわけのわからない妄想の部分は伏せましたけど。


 そしたら、


「好きな食べ物? えー? わかんない。何でも好き」


 てめえ!

 それじゃあ結局私出られないじゃん! いや、そんな部屋存在しねぇけど!!


「あ、でも強いて言えば」


 言え! 強いて言ってみろ!!


「りんごならやっぱ『ふじ』かなぁ」


 まさかのりんごの品種!

 さては青森県民か、貴様! って思ったでしょ?

 残念、青森県民ではありません。秋田県民です。


「でも王林も捨てがたいよねぇ」


 結局絞れねぇのかよ!



 もうね、台風が来るとかってわぁわぁしてましたのでね、こんなお話になりました。


 え? 台風の方は心配してなかったのかって?

 一応、場所が場所ですから、だいたいそこまでの被害はないんですけど、それでももちろん備えておりましたとも。


 私のことはさておき。

 皆さん、ご無事でしょうか。

 

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