令和元年8月
第163話 お手紙ブーム到来
お手紙ブーム。
息子の時にはなかったやつです。
ウチの息子君はマイペースが天元突破しているタイプで、基本的に一人で遊ぶ子(ただし、来るものはほぼ拒まず)なんですが、娘はというと、積極的に輪の中に入っていくタイプなんですね。この辺もやっぱり私派と旦那派に分かれているわけですけど。
で。
息子が年中さんとかそれくらいの時に、園からお便りが来たんですね。
「子ども同士のお手紙のやりとりはご遠慮ください」
みたいな。
え? 良いじゃん。微笑ましいじゃん、駄目なの? って思ったわけですよ。
もちろんちゃんと理由がありまして、例えば、字が書けない子が仲間外れになっちゃうとか、そういうやりとりがエスカレートして、ティッシュやシールなどのちょっとした小物の譲渡に発展し、トラブルになるケースがあったりしたらしいのです。
ただ、先述の通り息子はですね、もらうことはあっても(モテ自慢)、送ることはなかったもんですから、ま、いっかー、だったんですけど。
娘ですよ。
この子、字なんて全く書けもしませんし読めも……いや、お風呂場のあいうえお表ならイラストとセットで若干わかる程度ですけど、とにかくまぁ、そんなレベルなのにお手紙に興味を持ってしまったんですね。彼女は失敗を恐れない。
折り紙の裏とかにさらさらーって渦巻やら波線やらを書いて親にくれる程度なら、スーパー微笑ましいって話なんですけど。
そのお手紙(畳んでもいない折り紙)をですね、
「わたし、ポストにいれてくるねっ」
て。
いっちょ前にそういうシステムは理解しているんですよ。
ポストに入れれば、手紙は届く、という。
ただ、住所と切手が必要なんてところまではわかりませんし、何なら彼女は自宅の郵便受けをポストの一種だと思い込んでいるようでして。何でしょうね、赤いポストは本店で、ウチの郵便受け(それもポストと呼ぶ)は支店みたいな?
そんなわけでいそいそとお手紙を書いては、それを郵便受けに入れようとするわけです。
ただね、届かないんですよ、娘にはね。ギリギリ届かない位置にある。
だから、玄関で叫ぶわけですわ。
「にいに――――――!!! ちょっとげんかんにきてぇ――――――――!!」
にいに(息子)、パシられてるんですよ。お前妹の舎弟だったのか。
もうね、娘も娘でその場を動きませんから。あくまでも、兄の方から来い。
で、娘の代わりに郵便受けに手紙をイン。やれやれ、僕の仕事は終わったな。
しかし、お手紙マシーンと化した娘の筆(クーピー)は止まらない。次々とお手紙を量産し、またご丁寧に1枚ずつ投函しに行くわけですね。その度に呼ばれる舎弟(兄)。ウチの郵便受け、もっさもさ。折り紙でもっさもさ。
ちなみに、その渦巻やら波線やらですが、何て書いたの? って聞いたことがあるんですよ。
そしたら、
「『きょうは ほいくえんの ブロックで あそぼうね きゅうしょくも いっしょに たべようね あと ちゃんとおひるねしてね おにんぎょう じゅんばんこで つかおうね むすめちゃんより』ってかいたのー!!」
って。
長さ10センチにも満たない波線とか、3巻きくらいの渦巻にまさかそんなにメッセージを詰め込んで来るとは。ウルトラサインかよ。ママには解読不可でしたわ。
というわけで、8月スタートですね。
もう一分一秒でも早く冬にならないかなって毎日思っている私です。
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