第142話 フエラムネ、再び

 さて、予告通りにですね、フエラムネのお話をしに馳せ参じました。おはようございます、宇部です。


 フエラムネですよ。

 瓢箪から駒ならぬ、小箱からエビ(第126話参照)でお馴染みのフエラムネ。


 ここ最近駄菓子コーナー(子どもにOK出してるお菓子コーナーはここだけ)を通過してもですね、なかなかリクエストのなかったフエラムネです。

 もしかして、あんなに喜んでいたのはやっぱり演技で(だとしたら迫真過ぎるけども)、本当はエビなんて嬉しくなかったんじゃないか、この子のトラウマになっちゃったりしてるんじゃないかと密かに胸を痛めていたのですが、そういや息子はスーパーマイペース、誰に似たのか(確実に私)、超ゴーイングマイウェイ太郎なのでした。


「僕これー、フエラムネー」


 ご指名ありがとうございます、フエラムネです。


 この時の私の安堵感ったらないですよ。リピートするってことは、少なくとも悪いイメージはないってことですから。


 で、次に考えたのがもちろんこのエッセイですよね。


 次は何が飛び出すんだ……。エビか? またエビ来るか? 任せろ、胴上げせんばかりのテンションで盛り上げてやんぜ。

 

 それくらいの気持ちでね、いざ開封タイムですよ。


 たぶん息子以上にドキドキしてました。

 色々なものがかかってますから。エビの時のように出遅れるわけにいきませんからね。あの時は結果オーライでしたけど、毎回毎回運頼みではいけませんから。


 ――ころり。


 ……何?


 結局今回も出遅れたわけです。

 まったく鈍くさい母ですよ。そういや私反射神経とかそういうのは皆無なのでした。


 さて、出て来たものがなんだったのか。とりあえず色は緑。単色。ここのおまけは基本的に単色のようです。


 何と、プテラノドン!

 これは良いんじゃないか?! 少なくともエビよりは当たりっぽい! 男の子だもの、恐竜好きだろ? 好きだろ、息子よぉぉぉぉ!!!


 そしたらね、息子も「ああ!」って。僕わかった! ってね。エビの時より反応が遅いことに一抹の不安を覚えましたけれども、うん、そうだよ、これはプテラノドンっていってね、空を飛ぶ恐竜でね――


「ラドンだ――――――!!!!」


 えっ。


 いや、あながち間違いではない。ラドンはプテラノドンをモデルにしてるはずだし、あながち間違いではないけれども。いや、お前いつラドン見た? ママは見せてないぞ? お前見たのモスラだけじゃないの?(しかもゴジラ対モスラじゃないやつ)


 成る程、そうか、プテラノドン知らないのか。確かにこの子は恐竜より特撮ヒーローだもんな。特撮は特撮でも最近はライダーとウルトラマンばっかりだし、ジュウレンジャーまだ見てないもんな。この日のためにジュウレンジャー見せてなかった私が悪い。仕方ない仕方ない。


 ならばいま教えようぞ。


宇部「息子よ、これはね、『プテラノドン』っていう恐竜なんだよ」

息子「プテラ……?」

宇部「ノドン!」

息子「ラドン!」

宇部「おしい、『ノドン』だよ、『ノードーン』。『プテラノドン』」

息子「わかった! プテ……ふぁふぁふぁ(早くも曖昧)ラドン!」

宇部「オーケイ、いつかわかれ!」


 ま、これはこれで良いかなって。可愛いしな、って。プテラノドン知らなくても生きていけるしな、って。


 そういえば、ちなみに息子はいまだに『スーパーチョコミント(第122話 あなたのチョコミントはいつから?)』を諦めていなかった模様です。


 お菓子コーナーのチョコミント系商品をちらりと見て、「僕次は『スーパーチョコミント』食べるんだー」と言っていました。最近まったく口にしていなかったのですが、チョコミントについても、しっかり気に入っていた様子。

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