第122話 あなたのチョコミントはいつから?
私(の記憶で)は中学生から!
というわけで。
ここ数年、これくらいの時期になるとチョコミントがお菓子コーナーをブイブイ言わせ始めますよね。
チョコミントもなかなか好みがはっきり分かれると言いますか、駄目な人はほんと駄目ですよね。歯みがき粉みたいって。この0か100か度合いがもう完全にパクチーのそれ。
ええ、いまのは単に『パクチー』って書きたかっただけです。私だって流行りのおしゃれ食材を書きたかったんです! 流行ってるのかもおしゃれなのかも知りませんけど。この調子だと、近いうちに『タピオカ』も書きますよ、絶対。
さて、私が小さい頃なんて、チョコミントってものは、アイスにしか存在しないものでした。あったかもしれませんけど、北海道の片田舎、寂れた漁村ですから。しかも、チェーン店じゃないファーストフード店のアイスコーナーね。もちろん、バスキンロビンスなんてありません。
ちなみにこの『バスキンロビンス』についてですが。
山田詠美先生の作品で
バスキ――――ンっ、ロビンスっ!!(キリッ
よし、チャージ完了(何の)。
さて、何度も言うように(そう何度もは言ってない)、先日、私、誕生日でしてね、ちょっと暑いので31(さっそくバスキンロビンスと言わなくなる)のアイスケーキなんていかがかしら、ってね、ナイスな提案をマイハズバンド(どうにかこうにか定着させたい)が言ったわけです。
でも、予想より大きくて、こりゃ息子はまだしも娘は半分も食べられないだろうという判断から、ちっちゃいアイスの詰め合わせにしたんです。味を6つ選んで、ミニオンズのカップに入れてもらうっていう。
で、各々好きなのさぁ選べーってなるじゃないですか。娘は得意の「娘ちゃんのもちもちほっぺみたいなピンクのいちごちゃん!」といちいち長いオーダー。31ならそんな名前のストロベリーもありそうですけど。
旦那はさっぱりシャーベット系で、私はナッツとかも入った何とかファッジみたいな「これぞユナイテッドステイツ!」的な高カロリーフレーバー。うるせぇ、今日の主役は私だ。
そんな中、僕これ、僕これ、ってね、聞こえてくるんですよ。ええ、未来のジュノンボーイ準グランプリこと宇部家きっての爽やかボーイ、息子君ですわ。
「えー、どれどれ?」
「これ! 『スーパーチョコミント』!」
「『スーパーチョコミント』!?」
お前、いままでミント系食べたことないじゃん? 歯みがき粉だってぶどう味じゃん? アンパンマンのうっすらミントなやつにしたら辛いとか言ったじゃん?
ファーストチョコミントが『スーパー』はアカ――――ン!!
ってね、宮川大輔さんになりましたわ、もう。
私にはね、責任があるわけです。チョコミント好きとして、彼が踏み出したそのチョコミント好きへのファーストステップを苦い……いや、辛いものにしたくはないのです。ここで下手うったらもう彼はチョコミントに心を閉ざしてしまうかもしれないのです。最高のファーストチョコミント体験をお届けしたいわけです。
「息子君、スーパーはね、大人用だから」
「え~、僕、スーパーチョコミント食べてみたかったのに~」
「だけど、ほら見てごらん。こっちに息子君用のチョコミントがあるよ(普通のチョコミントを指差す)」
「ほんとだ! やったぁ!」
してやったり!
さすが私の息子! ちょろい!!
さて、それなりに良い感じのご飯を食べて、いざアイス!
もうね、私はドキドキですよ。この最初の一口で決まる。息子がこっち側に来るかが、この一口で決まるのです。しっかし
ぱくり。
「……ど、どう?(来い! こっちに来い! めくるめくチョコミントシャングリラへ……!)」
ごくり。
「おいし~い!」
ウワァァ――――!!!
いょっしゃぁぁぁ――――!!!
ガッツポーズからの昇龍拳決めましたわ。
ようこそ、チョコミント道へ!
ただ、まぁ、あれね。
息子はだいたい何食ってもよほどのもんじゃなければ「おいし~い!」って言うけどね。
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